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──SQCを使うことで、トヨタグループは良品率を高めているわけですね。他にもSQCを使わないと問題になる点はありますか。

皆川氏:試作品のデータで量産の可否を評価するしかないケースでSQCを使わないと、とんでもないことになる危険性があります。

 例えば、600Nという強度規格を満たさなければならない製品があるとします。ここで、試作品を5個作り、強度試験を実施して605N、610N、612N、620N、623Nというデータが得られた。さて、問題です。あなたはこの製品の量産化に「GO」サインを出しますか?

──そんなの簡単ですよ。全て600Nを上回っています。あえて言えば、605Nについては余裕度が多少心配なところがあります。安全係数をもう一度見直しますが、基本的に量産化を進めたいと思います。

皆川氏:残念ですが、あなたの会社や部署はリコールや市場クレームによって、巨額な損失に苦しむ危険性があります。「推定」という手法を使うとその理由が分かります。推定という手法で試作品の強度試験データから量産時の強度分布を推定すると、不具合の割合が分かります。ここでは詳細は省きますが、その割合は「26%」。つまり、4個に1つは量産化したときに不具合になると分かるのです。

 もっと危険なケースも考えられます。同じく、あなたは量産移行会議の決裁者だとします。試作品を100個作って強度試験を実施しました。その結果、全ての試作品で強度の規格値をクリア。つまり、この強度試験において不良品はゼロでした。目標は、量産での不良率が0.5%以下。さて、このケースであなたは量産化に「GO」サインを出しますか?