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トヨタの反省から生まれた

──トヨタグループでは、QAネットワークをどのように捉えているのでしょうか。

皆川氏:トヨタグループにとって、QAネットワークは必須です。なぜ必須かといえば、「最低コストで不良品の流出をゼロにできる」から。QAネットワークを使わなければ、無茶苦茶に費用が高い生産ラインか、もしくは不具合が頻発する生産ラインになってしまいます。QAネットワークを使っていなくても不具合の流出率が低い生産ラインがあるかもしれません。しかし、それは偶然によるもの。不具合の流出率を低く抑えられる生産ラインである確率はかなり低いはずです。

 実は、QAネットワークが出来る前はトヨタ自動車もそうでした。QAネットワークはトヨタ自動車の反省から生まれているのです。かつてトヨタ自動車では、不良品の流出をゼロにしようと生産ラインの全工程に「ポカヨケ」を設置したことがあります。ご存じの通り、ポカヨケとは作業ミスなどを防ぐための仕掛けのことです。これにより、確かに不良品の流出は大きく減りました。ところが、異常にコストの高い生産ラインとなってしまいました。

 これではクルマづくりが成立しません。そこで、生産ライン全体を俯瞰し、不良品を発生している工程と、流出させている工程の2つさえ押さえれば、不良品を撲滅できると気付いたのです。すなわち、発生源となっている工程と、流出源となっている工程を突き止めて、その2つの工程だけにポカヨケを設置すればよいと。例えば、30工程ある生産ラインだとして、発生源である6番目の工程と、流出源である15番目の工程だけにポカヨケを設置するのです。そうすれば、コストを最小限に抑えながら不良品を撲滅できるというわけです。