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 2015年9月の宇宙ビジネス通信をお届けします。9月は、世界各国から幅広い分野について、多くのニュースが報じられました。今月は、以下の5本をピックアップしました。

1位「アクセルスペース 18億円の資金調達に成功」

  9月21日に日本発の衛星開発ベンチャー企業、アクセルスペースは、18億円の資金調達に成功したと発表しました(発表資料)。グローバルブレイン、環境エネルギー投資、SMBCベンチャーキャピタル、SBIインベストメントなどのベンチャーキャピタルやスカパーJSAT、三井物産の民間事業者からの出資になります。この資金で「GRUS」と呼ばれる地球観測用超小型衛星3機を打ち上げ、アクセルスペースがリモートセンシングビジネスに参入するとのことです。

 これらの出資企業は、どのような将来展望を考えているのでしょうか。環境エネルギー投資は、環境、エネルギー分野にフォーカスして投資するというポリシーを持っています。今回の投資は、環境、エネルギー分野について、超小型衛星を活用することで、何か新しいビジネスの創出を模索していると推察されます。

 スカパーJSATは、日本を代表する衛星放送事業を展開する企業です。衛星放送は、静止軌道にある3tから4t級の衛星を活用して行っています。将来的に、周回軌道を回る超小型衛星を活用した放送衛星事業あるいは、リモートセンシング事業への新規事業展開を視野に入れている可能性があります。

 三井物産は、将来、超小型衛星を活用したリモートセンシングなどの宇宙ビジネスへの進出を画策しているのでしょうか。いずれも、筆者の推測に過ぎませんが、今後の展開が楽しみです。

 さらに、9月15日にアクセルスペースは、ウェザーニュースと共同開発している北極海観測用超小型衛星「WNISAT-1R1」のフライトモデルが完成したと報じました。この衛星は、約50cm角、43kgの超小型衛星です。2016年春にカザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定です。

 アクセルスペースの超小型衛星は、製造コストを通常の衛星に比べて1/10から1/100まで削減できるそうです。人工衛星といえば政府や放送や通信に関わる一部の大企業が発注者でしたが、衛星の低価格化が進むことでさまざまな民間企業、地方自治体なども発注者になる可能性があります。アクセルスペースのような超小型衛星開発企業への投資が活発になれば、超小型衛星を活用した既存の事業の低コスト化や新規ビジネスが創出されることでしょう。

18億円の資金調達によりアクセルスペース社が開発する地球観測用超小型衛星GRUS
18億円の資金調達によりアクセルスペース社が開発する地球観測用超小型衛星GRUS
(出所:アクセルスペース社ホームページ)
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