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 前回に引き続き、中国半導体メーカーの実力を解説した、テカナリエの清水洋治氏(代表取締役 上席アナリスト)による講演内容の一部を紹介する。今回は、中国Huawei社のスマートフォン「P8」「P9」「Mate 9」、中国HiSilicon社のスマホ用プロセッサー「Kirin 935」「同955」「同960」から、中国企業の実力を読み解く。なお、清水氏は日経BP社が技術者塾として2018年2月27日に開催を予定するセミナー「中国のNVIDIAは誰か? 中国企業の技術力を探る」に登壇し、最新の中国半導体メーカー製チップや中国セットメーカーが採用するチップの解析結果について解説する予定だ(詳細はこちら)。


 スマートフォン「P8」を発売し、大ヒットさせた中国Huawei Technologies社。同社は矢継ぎ早に新製品「P9」を発売します。このP9は、ありとあらゆるところに中国の半導体チップが入っています。USB給電のためのチップも中国メーカーのものです。

 P9の特徴は、デュアルカメラを搭載したことでした。ドイツの老舗メーカーのLeica社と共同開発したものです。Leica社は「我々は中国と共にある」と明言しています。それほど、中国メーカーの牽引力、マーケット力、実力は、本家のメーカーからも認められているといえます。

 スマホの頭脳に当たるプロセッサーは、傘下の半導体メーカーである中国HiSilicon社の「Kirin 955」を搭載しています。このプロセッサーを中心とした心臓部分は、全てHiSilicon社製のチップセットになっています。中核を自前でつくろうという精神性、マインドセットが、中国はとても強い。HiSilicon社以外の半導体メーカーも、心臓部を取ることを目指しています。「次の課題はクルマだ」となったら、当然、クルマの心臓部を狙ってきます。