触覚テクノロジーを活用した、新たな提案が目に付くようになってきた。例えば米Apple社は、「MacBook」や「Apple Watch」に、クリック感やタップされた感覚を与える技術を組み込んだ。日経BP社は「触覚テクノロジーによる価値の創出」と題したセミナーを、技術者塾として2016年4月22日に開催する(詳細はこちら)。本講座で講師を務める名古屋工業大学大学院 工学研究科産業戦略工学専攻 准教授の田中由浩氏に、触覚テクノロジーのポイントなどについて聞いた。(聞き手は、日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

田中由浩氏(名古屋工業大学大学院 工学研究科産業戦略工学専攻 准教授)
田中由浩氏(名古屋工業大学大学院 工学研究科産業戦略工学専攻 准教授)

――触覚テクノロジーへの関心が高まっています。

 触覚テクノロジーの市場や応用は、いずれも未開拓の部分が多く、本格的な動きはこれからと思われます。一方、年々その注目は高まり、具体的な技術シーズも出始めています。

 この1年で見ると、触覚テクノロジーが実装された例では、米Apple社が「MacBook」や「Apple Watch」に、クリック感やタップされた感覚を与える触覚提示技術を組み込みました。横の動きを縦の動きに錯覚する現象を利用しており、薄い設計でかつ、振動制御で触覚のバリエーションをつけることが可能になったといえます。タッチパネルへの触覚提示技術の導入も、「CEATEC」や「CES」といった展示会で発表されており、技術進歩が進んでおり応用に向かっていると思います。

 また、触覚テクノロジーの1つの応用領域である、VR技術の社会実装が急速に進んでいるように思います。ヘッドマウントディスプレー(HMD)も安価に入手できるようになりました。他に、ウエアラブルやIoTといった近年の流れにおいても、触覚は密接に関連するでしょう。ものやコトの情報化とその提示には、多くの応用展開が考えられ、外界との物理的な接触や身体に関わる触覚に関するニーズやその価値開拓は、ますます高まっていくでしょう。