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半導体技術でセンサーを革新し、医療・バイオ・農業といった新分野へ展開する。このような取り組みが活発化している。日経BP社は「医療・バイオ・農業に使えるイオンイメージセンサー技術」と題したセミナーを、技術者塾として2016年4月27日に開催する(詳細はこちら)。本講座で講師を務める豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授の澤田和明氏に、イオンイメージセンサー技術のポイントなどについて聞いた。(聞き手は、日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

――半導体技術の医療・バイオ分野への応用が広がっています。中でも、半導体を用いたイオンセンサー技術の応用に注目が集まっています。

澤田和明氏(豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授)
澤田和明氏(豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授)

 1970年代に半導体を用いたイオンセンサーが誕生し、その後、イオンの濃度を計測する汎用センサーとして実用化が進みました。

 2007年に“More than Moore”というLSI技術の新たな潮流が提唱されて間もなく、半導体を用いたイオンセンサーは、LSI技術によって高密度アレー化されたDNAシーケンサー用のセンサーチップとして製品化されました。その結果、数時間で個人のDNA情報を読み解くシステムが出来上がりました。この革新的なチップにより、我々の個々のDNA情報を活用した新たな診断が現実のものになりつつあります。

 アレー化のもう1つのメリットは、イオンなどの不可視化学情報の画像化です。小型でコンパクトな半導体イメージセンサーにオンチップカラーフィルターを活用し、小型な蛍光イメージセンサーや、生体のイオン情報をin-vivoで(生体内で)リアルタイムに可視化するチップが発表されるようになりました。この結果、イオンの2次元情報を小型センサーで可視化する技術に、ますます注目が集まっています。

――イオンイメージセンサー技術の、この1年の技術動向、技術トピックスをご紹介ください。

 この1年、半導体技術を活用した非標識リアルタイムのイオンイメージセンサーの技術は、用途範囲の拡大と画素ピッチの縮小に向けての開発が進みました。用途はこれまでの医療、バイオ応用に限らず、農業分野への展開の兆しも出てきました。さらに、これまで発表されたイオンイメージセンサーの空間解像度は30μm程度でしたが、1μmに迫る解像度がLSIメーカーからも開発・発表され,実用化が加速すると思われます。また、JST(科学技術振興事業団)は2015年度からA-Step「戦略テーマ重点タイプ」事業にナノレベルの分解能を持つイオンセンサーの実現を設定するなど、イオンセンサー開発に注目が集まりつつあります.