――センサーネットワークについて基礎から理解することで、どのような効果があるのでしょうか。

 センサーネットワークに関係するビジネスや研究開発の現状の把握と未来の予測が可能になることです。IoTやM2Mなどのキーワードをはじめとして、今後はありとあらゆるモノがネットワークに接続されて新しいサービスが生まれてきます。これまで想像しなかったモノがネットワークに接続されるわけですから、当然のことながら今後どのようなサービスが登場してくるかを予測するのも困難です。

 もし、今後登場するサービスを正確に予言できるならば、ビジネスに興味のある人であればそのサービスを自分で展開する、研究開発に興味のある人であればそのサービスで必要な技術を研究開発する、といったことが可能になります。例えば、サービス事業者は何に着目してサービスやプラットフォームを設計すべきか、デバイスメーカーはどのような開発に力を入れるべきかが明確になります。これに向けて、本セミナーでは、センサーネットワークを使って何ができるのか、何ができないのか、今後どうなっていくのかを見極める知識を身に着けることに主眼を置いています。

――センサーネットワークに関する知識の習得と理解を進める上でのキーポイントを教えてください。

 現状のセンサーネットワークと、将来のセンサーネットワークの2つの観点でのキーポイントがあります。現状のセンサーネットワークを理解するポイントは、ありとあらゆるサービスを実現可能な技術が現段階では存在しない点です。センサノードの大きさ、リアルタイム性、電力、通信距離、価格のどの部分を妥協しているのかに着目すると、現在存在するセンサーネットワークを利用したサービスがなぜそのような仕組みで作られているのか、現状では何ができないかが理解できるようになります。

 今後のIoTやM2Mを含んだセンサーネットワークが向かう先を理解する鍵となるのが、「これまでソフトウエアで起こっていた変革が、ハードウエアで起こり始めている」という点です。2000年代の中ごろから、Web 2.0とユーザーイノベーションを中心としたソフトウエアやインターネットといった仮想空間で大きなムーブメントが始まりました。そのムーブメントが、現在はハードウエアを巻き込んで物理空間に進出してきています。クリス・アンダーソン(Chris Anderson)氏のメイカーズムーブメントや、米Massachusetts Institute of Technology(MIT)のファブラボ(Fab Lab)の動向などと合わせて考えると、これから向かう先が見えてきます。