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 2008年のリーマンショック以降、様々な環境の変化が日本の製造業に押し寄せてきました。東日本大震災に起因するエネルギー問題、超円高、中国をはじめとするアジア諸国の台頭、欧州の債務問題・・・。そのような環境変化においても日本の製造業では様々な工夫を行い、過去最高の業績を上げ続けている企業も多く存在します。勝ち続けている企業は行っている工夫は、製造業に携わっている読者のみなさんにとって大変興味のあるものではないでしょうか?

 iTiDコンサルティングでは製造業の現場の実態や実施されている工夫、発生している問題を把握するために2004年度から3年ごとに大規模な「開発力調査」を実施しています。この開発力調査には延べ220社、400事業体、約3万4000人の技術者に参加いただいており、調査結果をまとめて開発力白書という形でご紹介しています。本コラムでは今回、次回にわたり1万2000人超に参加いただいた2013年度の調査結果および2007年度、2010年度の比較から分かった日本の製造業の実態と勝ち続けるために進むべき道についてご紹介いたします。

開発力の構成要素に着目し、定量的に評価

 詳細な内容に入る前に調査方法である「開発力調査」をご紹介します。開発力調査とは開発力を構成する“開発プロセス(製品開発のやり方)”、“人材(人の行動特性)”、“ツール・インフラ”に着目し、それらを定量的に評価する指標で構成されています。具体的には商品開発や構想設計、プロジェクト管理など10の領域で構成されている「開発プロセス」、プロフェッショナルマインドやリーダーシップなど5つの領域で構成されている「人材」、開発プロセスの各領域で利用される「ツール・インフラ」で構成されており、各領域で2~10個の指標が設定されています(図1)。また、「開発プロセス」は各指標が実行されていたか否かを問う“実行度”と各指標の実施方法が定義されていたか否かを問う“定義度”の2つの視点を持っています。

図1 開発力調査の構成
図1 開発力調査の構成

 さらに、開発成果(プロジェクトの成功・失敗や目標コスト達成度など)や製品開発環境(マーケティング力や技術難易度など)、業務環境(チャレンジ支援環境、育成環境など)を調査し、問題要因分析や開発力向上のキープロセス分析を行うことが可能となっています。

 それでは、2007年度から2013年度に実施した調査結果から分かった開発現場の実態についてみていきましょう。