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 日本のものづくりの高品質はもはや当たり前で、コストダウンや開発スピードアップが課題だと言われています。今回のテーマである開発スピードアップについては、主にコンカレント開発と試作回数削減といったテーマで取り組みが行われてきました。ここ最近はコンカレント開発への取り組みは一段落し、自動車業界を中心にモデルベース開発を指向して、開発後半の実機評価を開発上流のシミュレーションに置き換えるという試作回数削減の取り組みに注力する企業が増えてきています。

 ところが、コンカレント開発への取り組みを形式的で中途半端なままで終えてしまい、思ったようなスピードアップが図れていない企業も多く存在します。そんな状況に陥ってしまった自動車関連メーカーA社のスピードアップ実現までの取り組みをご紹介します。

開発期間25%短縮を実現したA社だったが…

 A社は開発のコンカレント化を進め、開発期間を従来比25%縮めたプロセスを標準としていました。開発実績を調べると、多くの開発プロジェクトは狙い通りに試作回数を減らしており、開発期間の25%短縮も達成されていました。とても順調に成果が出ているように見えるのですが、不思議なことに開発者の残業は大幅に増え、現場の疲弊感が高まっていたのです。

 短期間で開発する分、残業が増えるのは止むを得ない気もしますが、毎月の工数集計結果の詳細を調査してみると、増えているのは開発プロジェクトの工数ではなく、「市場不具合対応」と「その他」でした。一体、A社では何が起こっていたのでしょうか?