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 中国メーカーが2015年に生産したLiBの総容量は約17.7GWhと、世界全体の6割を超えた。前年の316.9%と一気に拡大させた格好だ。乗用車のxEVの販売が好調だっただけでなく、1台当たりに搭載する電池容量が大きいEVバスの販売が急増していることも市場拡大を後押しした。

 この恩恵を受けて、中国の電池セルメーカーの車載用LiB生産量は爆発的に増加していると見られる。韓国の電池メーカーSamsung SDI社で常務を務めた経験を持つ佐藤登氏(名古屋大学客員教授/エスペック上席顧問)は「中国市場での自動車の電動化と車載用電池にまつわる産業界は、非常に大きな勢いをもってビジネスを展開中だ」と分析する。

韓国メーカーはお墨付きを得られず

 政府による“アシスト”も、中国メーカー製の電池セルへの需要を拡大させた。2016年1月には、海外メーカーが得意とする、正極材に3元系〔ニッケル(Ni)-マンガン(Mn)-コバルト(Co)酸リチウム:NMC系〕材料を用いたLiBを搭載したEVバスに向けた補助金支給を中止した。

 さらに中国政府は、新エネルギー車に向けた補助金支給の条件の一つとして、搭載するLiBの現地生産を挙げている。「車載用電池模範規準認証」として、政府から認証を受ける必要があるのだ。これを受けて、韓国LG Chem社や同Samsung SDI社といった海外の電池メーカーは中国に生産拠点を設けた。それにも関わらずLG Chem社やSamsung SDI社は、2016年11月時点で認証を取得できていない。