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 中国の“EVバブル”が弾けることも想定した方がいいだろう。きっかけとなりうるのが、新エネルギー車に対する補助金の交付終了だ。中国政府は今のところ、補助金の交付は2020年までとしている。仮に、金の切れを機に2020年にEVバブルが弾ければ、LiBは供給過多になり、競争力を有した中国製LiBが世界市場に溢れるだろう。そうなればLiB市場の競争はますます厳しくなる。

 電池/部品メーカーは今、2021年以降を見据えた慎重かつ大胆な判断が求められている。例えば、現状よりはコストを下げながらもハイエンドを維持するため、現在活況を呈している中国において現地メーカー向けを無視し、次の成長を担う欧米の自動車メーカー向け、特に高級車種に絞ってハイエンドの製品を共同で開発していくことも一つの手ではないかと考える。

 中国とそれに続く勝負のステージはどこか。自社の企業規模によって取るべき戦略は異なるが、足元の中国市場の活況を冷静に判断しつつ、自社の材料の強みが活かせる領域はどこなのかを考える時期が訪れている。日系部材メーカーの立場では、中国企業を含めて将来を共にする電池メーカーを見極める必要がある。

稲垣佐知也
矢野経済研究所インダストリアルテクノロジーユニット事業部長 兼 ソウル支社長
2000年8月、矢野経済研究所に入社。先端電子デバイス、光関連デバイス、セラミック材料などの調査研究に従事し、2009年から電池業界を担当。2011年8月から2014年8月までソウル支社。ソウル支社長として日系企業の韓国進出、韓国企業の日本進出に関係する業務をメインに、リサーチではLiBを中心に韓国企業、関連団体と業務を推進。2014年10月より、本社インダストリアルテクノロジーユニットも事業部長も兼務。2016年12月7日(水)~9日(金)には、中国・深圳で車載LiB関連のセミナー「2016’Annual Meeting of High-tech Lithium Battery & Electric Vehicle 」を開催予定。7、8日は中国企業が、9日は海外企業が講演する。