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 産業オートメーションシステムは、社会生活基盤を支える電力・鉄鋼・石油化学などの大規模プラントを24時間365日安定稼働させるための中枢神経系である。近年、プラントの設備老朽化や少子高齢化による人材不足・技術伝承不足の問題が深刻化する中、従来プラントを稼働させているユーザー企業の社員が行っていたオートメーション関連業務の外部委託が進んでいる。しかし、長年の経験と知識を要する複雑な専門作業を外部委託した場合、委託側と受託側の相互理解が不十分であったり、派遣される技術者の技能が委託業務の内容に合っていなかったりするなど、ユーザーとベンダー間のコミュニケーションに関わる様々な課題が発生している。また、一方ではIoTやビッグデータの活用などIT技術の革新によってこれらの産業オートメーションに関連する業務のパラダイムシフトが期待されている。

 電子情報技術産業協会(JEITA) 制御・エネルギー管理専門委員会では、これまで産業オートメーションに関する制御技術やセキュリティー、保全に関する技術動向や課題の調査を行ってきた。その活動の中で、本ワーキンググループでは産業オートメーションに関わる複雑で多岐にわたる業務を体系化し、その結果をユーザーとベンダーが共有することで前述の課題を解決できないかと考え、次の活動を進めてきた。

  1. 同様の課題に取り組んでいると思われた欧州の3つのオートメーション業界団体(ドイツZVEI、英国GAMBICA、フランスGimelec)によるオートメーション・サービスクラス策定の取り組み(サービスの種別や内容による分類を明確化してサービスプロバイダー間のバラツキを改善する取り組み)の調査
  2. 日本のユーザーやベンダーに対するアンケート調査の実施と分析
  3. 日本版オートメーション・サービスクラスの策定と文書化
  4. サービス学会や展示会にて活動成果を広報、発表

 本稿では、これらの活動と新たに策定した日本版オートメーション・サービスクラスについて紹介する。