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 今回は、2016年2月に開催されたストレージ関連の学会「FAST’ 16」(「14th USENIX Conference on File and Storage Technologies」)の最優秀論文に選ばれた、米Microsoft社の「Environmental Conditions and Disk Reliability in Free-cooled Datacenters」から、HDDの障害と「相対湿度(relative humidity)」の関係について解説したいと思います。

 相対湿度とは、ある温度の空気中に含むことができる水分の最大量に比べて、どの程度水分を含んでいるかを示した値で、一般に「湿度」と呼ばれるものです。Microsoft社の論文では、HDDの障害と相対湿度の関係を以下のように結論付けています。

 Relative humidity seems to have a much stronger impact on disk failures than absolute temperature in current datacenter operating conditions.(現在のデータセンターにおける運転条件では、温度よりも相対湿度の方が、HDD障害に強く関係している)

 この論文では温度や相対湿度、温度変化、相対湿度変化に着目し、この中で相対湿度が最もHDD障害に影響を与えると結論付けています。こうした結論を導いた点で大変価値がある論文です。ただし、筆者としてはまだ十分だとは思っていません。HDDの障害にかかわる、ある重要な項目について言及がないからです。