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SASの特徴が薄れる


 プロトコルの信頼性についてはどうでしょう。正直、筆者にはNVMeとSAS、SATAのどれが最も信頼性が高いか、ということについては知見がありません。ただし、速度が速ければ、データ転送に失敗したときの再送時間(ペナルティー)が気にならなくなります。失敗を防ぐために、オーバーヘッドが高い、つまり“重い”通信プロトコルを使うよりも、多少信頼性が低くなっても“軽い”プロトコルで再送した方が、トータルのデータ転送時間を短くできる場合が多い。ですので、NVMeほど高速であれば、プロトコルの信頼性に大きな問題が出るとは思えません。

 ここまで書くと、NVMeに一本化されるのでは、と思います。しかし、NVMeはまだ高価です。ローエンドのストレージシステムには採用しにくい。そこで安価なインターフェースが求められる。それはSASではなく、SATAになると、筆者は考えています。

 SASに信頼性を高める機能が多く採用されているので、SATAより高価です。代表的なのが「デュアルポート」で、信号ポートを2系統備えることで、サーバーからの信号経路を2重化する機能です。データの「可用性(アベイラビリティー)」と耐障害性を高めています。

 ところが今後主流になると考えられているストレージシステム(「オブジェクトストレージ」)では、データの可用性や耐障害性をソフトウエアで高めています。ですので、ストレージのハードウエアに可用性や耐障害性はほとんど必要ない。つまり、両性能が高くなくても、安価なハードウエアが望ましいのです。となると、SASではなく、SATAの出番になります。

 ちなみに、こうした昨今の状況を鑑みてか、デュアルポート機能を耐障害性の向上ではなく、速度向上に利用する製品も登場しています。