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 米Microsoft社が、同社のオンラインストレージサービス「OneDrive」における容量無制限という条件を撤廃することを2015年11月に発表したことが、ストレージ業界で大きな話題になりました。この発表により「無料オンラインストレージの終焉」という記事が出てくるなど、議論を呼んでいます。

オンラインストレージはバックアップに向く

 Microsoft社によれば、容量無制限という条件を撤廃した理由として、一部の利用者による予想を遥かに上回る量のデータ保存があったことを明かしています。75Tバイトものデータを保存するユーザーもいたそうなので、今回の撤廃はやむなし、といったところでしょうか。

 筆者は常々、OneDriveのようなオンラインストレージは、個人のデータのバックアップに向くと思っていました。ただ、容量制限が始まるので、すべてのデータをバックアップするべきではなく、データの再取得に「大きなコスト(費用)がかかるもの」や「再取得が非常に困難なもの」に限ってバックアップするのが望ましいでしょう。

 再取得にコストのかかるものというのは、例えば購入した電子書籍のデータといったコンテンツです。クラウドサービスと連携しているコンテンツには必要ありませんが、世の中にはまだ連携していないものが数多く存在します。そういったデータのバックアップ先に、オンラインストレージはふさわしいでしょう。

 再取得に難しいものというのは、例えば子供の写真や運動会の映像といった、思い出が詰まったデータです。ただし、OneDriveの制限撤廃理由にある「75Tバイトのデータ」とは動画コレクションだったので、貯めすぎないように注意が必要です。オンラインストレージにバックアップするのは、本当に残しておきたいデータに絞らざるを得ないでしょう。動画の場合、現在はフルHDが主流ですが、いずれ4Kが主流になると思いますから、より一層、オンラインストレージに保存すべきデータの選別が不可欠になります。