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【質問2の回答】AIへの最適化は途上であるということ


 前述した通り、NVIDIA社のGPUは、ゲーム用のプロセッサーとして名を馳せており、ディープラーニングへの高い適性から今日の地位を築いたのは、計算ずくというよりも、幸運のなせる業であった。NVIDIA社は、事業機会を明敏に察知し、自社のGPUを機械学習に最適化すべく、さまざまな開発や、ライブラリの充実などの施策を打っている。しかし、自社GPU技術のAIへの最適化については、まだ途上であると言え、質問1で私が名前を挙げた競合は、まさにその点を突いている。

 まずはIntel社。ここのメニーコアは、Intelアーキテクチャーであるため、機械学習の成果をパソコンやサーバーに容易に展開できる利点がある。IBM社のニューロモーフィック・デバイスは、極端な低消費電力でありながら、画像認識力が高いというGPUベースのAIの向こうを張ったような宣伝文句をうたっている。社内の「Watson」を開発したチームと上手く連携が取れると面白いことになろう。このデバイスの開発は国防高等研究計画局(DARPA)がバックアップしていて、低消費電力で高い画像認識能力を持つ偵察衛星や偵察機向けのチップとして開発されたのではないかといわれるほど、画像認識力が高い。

 Google社は3年以上前、1万6000個のCPUを使って猫を認識するディープラーニング技術を開発したころに、FPGAやGPU、CPUでAIを評価しており、AIの重要性は早くから認識していた。Google社は「Google Cloud Platform(GCP)」を通じて、さまざまな機械学習の訓練済みモデルをAPI(Application Program Interface)のかたちで提供し、APIではフィットしないユーザーに対しては、イージーオーダーモデルともいえる機械学習用ライブラリー「TensorFlow」を提供している。Google社は、自社が提供する無料の写真用ストレージサービスなどから、機械学習の精度向上に欠かせない多数のデータを収集できる立場にあり、また検索エンジンを通じて、自社のAIをブラッシュアップできるというメリットもある。