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【質問3の回答】オープン&クローズド戦略


 特定領域で圧倒的な競争力を持ち、業界覇者として盤石な地位を築いていた企業が、競争ルールの変化によって一瞬にして凋落してしまった例は少なくない。NVIDIA社に対抗するのには、質問1、2で回答したように、マルチコア・プロセッサーを擁して戦うのが一つである。加えて、オープン&クローズド戦略のような、からめ手を使うのも有効であろう。

 パソコン、携帯電話、DVDプレイヤーでは、最も利益が出せるのは最終製品メーカーではなく、サプライチェーン中の一部の構成部品メーカーになってしまった。彼らの戦略の共通点は、自社の製品領域はブラックボックス化とパテントで徹底的にガードし、そこに別の部品をつなげるインターフェースの仕様をオープン化。さらにはレシピの提供というかたちで、その部品そのものの仕様まで実質オープンに近い状態にまで誘導して、低コストで大量生産が得意なアジアメーカーの参入を促している。

 そうすることで、自社の事業領域は高付加価値が維持できるが、他の部材の価格競争によって最終製品の価格は下がり、かつ最終製品の大量安定供給にもつなげて、当該最終製品市場を大きく拡大させることができる。これを今回のケースに当てはめると、NVIDIA社が得意とするGPUについては、自社製のものを使用してクラウド側から演算結果を提供し、NVIDIA社らが整備しようとしている機械学習用ライブラリ、訓練済みモデルは無料で供与することで、NVIDIA社の収益源を枯らし、自社は付帯する別のサービスで儲ければよいのである。

 この戦略を採るのに、最も有利な位置にいるのは、やはりGoogle社であろう。

■変更履歴
公開当初、「四角錐」と記述していました箇所は、「三角形」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/3/6 10:00]