PR

 NVIDIA社が今、大きな注目を集めているのは、半導体メーカーとして他を圧倒する業績を挙げているからでも、技術トレンドを一変させるような画期的なチップを開発したからでもない。人工知能(AI)や自動運転、ハイパフォーマンス・コンピューティングなど、社会に大きなインパクトをもたらすアプリケーションが成長していくためのキーテクノロジーを、他社に先駆けて供給してきたトップランナーだからである。同社のチップは、最も先進的であるかもしれないが、最良であるか否かはこれから決まる。

 AIや自動運転などのアプリケーションを開発する企業は無数にある。フットワークが軽いベンチャー企業から、重厚な布陣で技術開発を進める巨大企業まで多様だ。そして、そうした企業の多くが、それぞれの視点から自社に利する基盤技術を選択し、価値あるシステムやサービスを生み出そうとしている。NVIDIA社は、AI用チップの業界標準の座に最も近い位置にいるのは確かだ。しかし、かつてのパソコンでのWintelのように、あらゆるユーザーを先導できる力を持つまでには至っていない。いまだ、ユーザーから選ばれなければならない立場のままである。

 NVIDIA社の行方を探る今回のテクノ大喜利、6人目の回答者は慶應義塾大学の田口眞男氏である。新しいアプリケーションを生み出す企業と、それを支える立場にいる半導体メーカーなどサプライヤーの関係が変わりつつある現状を念頭に置いて、NVIDIA社の行方を考察する。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト

田口 眞男(たぐち まさお)
慶應義塾大学 訪問教授

1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事、特に新型DRAMセルの開発でフィン型のキャパシタ、改良トレンチ型セルの開発など業界で先駆的な役割を果した。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。DDR DRAMのインターフェース標準仕様であるSSTLの推進者であり、命名者でもある。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授、2016年4月からは同大学 訪問教授と共に、技術開発とコンサルティングを請け負うMTElectroResearchを主宰。

【質問1】NVIDIA社の最大の競合はどこだと思われますか。
【回答】最後はGoogle社だが、その前にIntel社と競合するだろう

【質問2】最大の競合の視点から、NVIDIA社のビジネスの弱点はどこにあると思われますか。
【回答】 GPU以外の資源が乏しいことと、最後は格の違う相手との競争

【質問3】NVIDIA社に対抗するための戦略・施策としてどのようなものがあると思われますか。
【回答】 FPGAなどをキーテクノロジーにしたAIチップをシリーズ展開