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 ドイツの自動車業界では、自動車メーカーと電装メーカー、そして半導体など部品のサプライヤーが、将来のクルマの開発初期からビジョンを供給して、それぞれが対等な関係で開発を進める体制が構築されているという。パワートレーンの電動化や制御の電子化、そして自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の発展によって、クルマの進化が半導体などの進化の影響をより濃く受けるようになったからだ。自動車メーカーが将来車のビジョンを描いてから高度な半導体を開発するのでは、とても追いつかなくなっている。こうした状況は、Industry 4.0を推し進める中で、自動車業界から産業界全体に広がってきている。

 ルネサス エレクトロニクスは、顧客となる自動車メーカーや電装メーカー、そして産業機器メーカーに、新たな価値を持った技術や製品をソリューションとして提案する動きを加速させようとしている。サプライヤーからのソリューションの提案は、ユーザー企業が望むことでもある。しかしその一方で、ユーザー企業にとっては、自社内で製品を作り込む上での腕の見せ所が減ってくることも意味する。

 「ルネサスの復活は本物か?」と題して、ルネサスの現在と未来を議論している今回のテクノ大喜利。8番目の回答者は、某ICT関連企業のいち半導体部品ユーザー氏である。唯一の現役半導体ユーザーである同氏は、機器メーカーの開発領域にサプライヤー企業が踏み込むことに対して、寂しさと不安を忌憚なく吐露している。ユーザー企業とサプライヤーの新しい共創のかたちを求める市場の機運を垣間見ることができる。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
いち半導体部品ユーザー
某ICT関連企業
 ICT関連企業で装置開発に必要な半導体部品技術を担当。装置開発側の立場だが部品メーカーと装置開発の中間の立場で両方の視点で半導体部品技術を見ている。
【質問1】ルネサスは、世界の競合の中で勝ち抜けられる状態になったのでしょうか?
【回答】短期的には勝ち抜けられるが、長期的にはまだ分からない。
【質問2】ルネサスが現在のように復調できた、最大の要因は何なのでしょうか?
【回答】製品の絞り込みとソリューション提案が成功した。
【質問3】次のステージでのルネサスは、何を目指して何に注力すべきだと思われますか?
【回答】何も目指さず、何にも注力しない。