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【質問2の回答】地震リスクはあるが復旧に邁進する姿を見て、国内工場の安心感を得たのではないか


 標準CMOSロジック製品やメモリーと違って、熊本地震で被害を受けた半導体メーカーが生産していたイメージセンサーやパワー半導体は、互換品が無い場合が多い。もしも供給が長期間途絶えると、ユーザーは甚大な経営的影響を受けてしまう。

 だが今回、東日本大震災に続く大きな地震を経験し、半導体工場の復旧がどのようなものかユーザーには分かったようである。工場建屋が倒壊しない限り、装置メーカーの必死の努力、ユーザーからの応援の派遣、これらの対応によって結構早期に(長くて約3カ月)半導体工場は復旧できる。昔と違って、局所クリーン化プロセスであることも立ち上げを早くできる要因だろう。そのような事態に対処できる在庫さえ持てば(自動車メーカーにとって、在庫は禁句かもしれないが)製造ラインが止まることもない。その辺の勘所が分かり、リスクマネージメントに魂が入ったのではないか。

 地震があるから日本から出て行くなどというパニックを起こす必要はなく、前述のように世界の半導体製造拠点のどこでも地震の可能性があるため腹を据えるしかない。ユーザーまで復旧支援に加わることができるのは、ひょっとすると日本だけかもしれない。それが国内生産のメリットに見えたかもしれない。

 ただし、建屋が倒壊してしまったら復旧は大変だろう。直下に断層があれば工場が傾き使い物にならなくなるし、海に近く(これはルネサスの西条工場くらいか)津波を浴びれば同様である。従って工場の立地場所は、大手ユーザーが調達契約をするときのアセスメント項目になるのではないかと思う。

 地震に伴う供給問題回避のため全て汎用部品を使うなどという動きは起こらないと思う。だが、そのような動きは別の震源地から生じる可能性があり、日本の産業成長戦略に関して注意すべき事かもしれない(回答者後記、参照)。