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【質問1】Broadcom社がQualcomm社を欲しがる理由は何だと思われますか?
【回答】 IoTのインフラ側と端末側、双方の主導権を握りたいのではないか

 Broadcom社は、これまで多数のM&Aを実施しており、さまざまな側面を持つ半導体メーカーである。現在の同社のビジネスを、米Avago Technologies社のビジネスと旧Broadcom社のビジネスに分けて、それぞれの内容から現在の同社の地盤がどこにあるのか整理してみたい。

 Avago社は、Hewlett-Packard社時代から引き継ぐ光半導体および通信用などのアナログIC、旧LSI Logic社から引き継ぐASICが中心となる半導体メーカーである。特に、サーバー・データセンターを中心とするインフラ側に必要な高速I/O処理を実現するASICの実績に長けていた。一方の旧Broadcom社(Avagoと統合する前)は、通信のインフラ側、端末側の双方に実績を持っていたが、やはりインフラ側の高速ロジックICで収益を稼ぐタイプの企業であった。

 この2社が統合して2016年に設立されたのが新生Broadcom社であり、IoTのインフラ側を牛耳る半導体メーカーが誕生したことになる。巨大なデータセンターを持つ大手サービス・プロバイダー各社は、ほぼ例外なくBroadcom社のロジックICの顧客になっている、と見て間違いないだろう。データセンター市場に要求されるスペックは処理能力・容量・速度であり、熾烈な単価競争が行われている端末側の市場とはかなり傾向が異なる。

 IoTの端末側の主役はスマートフォンであり、スマートフォン向けに最大の出荷実績を誇っている半導体メーカーがQualcomm社である。米Apple社や韓国Samsung Electronics社に同社の戦略SoCが採用されなかったり、成長率の高い中国スマートフォンメーカー向けに十分食い込めなかったりと課題はあるものの、Qualcomm社はスマートフォン市場の中心的存在である。もしもBroadcom社が買収に成功すれば、新会社はIoTのインフラ側と端末側の双方において主導権を握ることができるはずである。半導体売上で見れば、Intel社およびSamsung社の首位争いに食い込むことも不可能ではない。