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 米国の巨大IT企業の多くは2010年以降、自前のハードウエアプラットフォームを創り出して市場に投入している。

 米Apple社はその中での老舗の成功モデルである。パーソナルコンピューターの時代からiPod、iPhone、iPad、Apple Watchまで、自前デザインのハードウエアとOS、ソフトウエアを貫いている。こうした垂直統合モデルの成功が多くのIT企業に広がった。米Microsoft社のSurfaceシリーズや、米Amazon.com社のFireシリーズ、そして米Google社のNexusシリーズが成功した製品として(必ずしも大ヒットではないものもあるが)知名度を高めている。米Facebook社などがハードウエアプラットフォームを作っているという噂も常に報道され続けている。

 強いハードウエア部門を持たないGoogle社やAmazon社は、委託生産という形でハードウエアを提供し続けている。一方でNexusシリーズやFireシリーズは、OSやネットワーク技術(Fireの場合はAmazon社のWebサイトに自動接続されるなどの工夫がなされている)の最新バージョンを委託先の会社に先行開示するため、委託先は市場に対して一足早いハード設計ができるという利点が与えられている。

 Google社のNexusシリーズは、2010年に最初の製品「Nexus One」がリリースされた。当時はGoogle社がハードを持つことを疑問視する意見もあったが、ユーザーはAndroid OSの最新バージョンがいち早く使えることや、最新のネットワーク技術など常にその時点でのAndroid OSの環境下での「最高」を手に入れることができたので、Nexusシリーズは市場で受け入れられている(けっして大きなスコアの売り上げではないが)。当然ながらスマートフォンのハードを開発できないGoogle社は、設計から製造までを委託したものになっている。請け負った会社は、自社の主力製品に近いものとGoogle社の提供する仕様(OS含む)を先行して製品化できている。

 Nexusシリーズに端を発し、その後Google社は多くの情報機器に乗り出した。タブレット端末やセットトップボックス、スティック型コンピューター、ネットブックなどだ。多くはAndroid OSをベースにしたプラットフォームとして発売されており、製品によってはAndroid TV(Google TV)やAndroid Wearのようにハードに最適化されたOSが開発されている。