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次の「Exynos 9」はどうなる?

 図1は、韓国Samsung Electronics社が無線通信と情報処理を1チップ化した自社製チップ「Exynos 8890」を搭載するスマートフォン「Galaxy S7」の様子である。Exynos 8890の製造には最先端の14nmプロセスを用いている。図2は、Exynos 8890の仕様だ。英ARM社から命令セットを導入し、自前で内部を改造したカスタムCPUの「Exynos M1」を用いており、加えて「LTE Cat.12(最大伝送速度600Mビット/秒)」の無線通信機能(デジタル回路部分)の1チップ化を実現している。RFトランシーバーのようなアナログ回路は別チップだが、構造としてはQualcomm社やMediaTek社らをキャッチアップできたわけだ。しかも、2016年の売れ筋スマートフォンであるGalaxy S7に採用されている(米AT&T社向けのモデルにも採用される)。

図1 Samsung社のスマートフォン「Galaxy S7」
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図1 Samsung社のスマートフォン「Galaxy S7」
図2 「Exynos 8890」の仕様
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図2 「Exynos 8890」の仕様

 図3は、Exynos 8890のチップを開封した外観である。Qualcomm社やMediaTek社らのチップと遜色ない外観であり、不具合などのニュースも聞こえていないことから、Exynos 8890は完成された無線通信・情報処理統合チップと考えてよいだろう。低成長に入り激戦区となったスマートフォン市場において、Exynos 8890はスマートフォン筐体内の見えないところでのSamsung社の大きな成果といえる。

図3 Exynos 8890のチップを開封した外観
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図3 Exynos 8890のチップを開封した外観

 今後の焦点は、Samsung社がさらなる高速無線通信と高度なアプリケーションプロセッサーをバランスよく統合し続けられるかだ。悲願だった無線通信、情報処理の1チップ化を果たした同社は、2017年の「Galaxy 8」に搭載されるであろう「Exynos 9」をどのような仕様にするか。これは低成長に入ったスマートフォン市場における次の5年のキーワードの1つになるかもしれない。Qualcomm社やMediaTek社らに追いついたSamsung社の次の一手が気になるところだ。