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 安倍首相の想定外の決断で、特殊な盛り上がりを見せる「CeBIT 2017」(関連記事:前代未聞の展示会、3月開催のCeBIT 2017の行方)が、2017年3月20日にドイツハノーバーで開幕する(24日まで)。前日の19日には、一部の企業が準備を整え、一足先に報道機関向けに公開を始めた。

ブロックチェーン応用の実証実験デモを説明 日経テクノロジーオンラインが撮影。
ブロックチェーン応用の実証実験デモを説明 日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 そのうちの1社が富士通。今回の出展の責任者である狩野泰博氏(グローバルマーケティング本部長)によれば、ドイツをはじめとする欧州では、従来は製品(例えば、サーバー)を売ることがメインだったが、最近はサービス主体に移行している。サービス主体の事業ではパートナーや顧客などとの協調が不可欠で、今回のCeBITでは「Digital Co-creation」をキャッチにして展示ブースを構成した。

 Co-creationの1例が、同社とみずほ銀行、富士通研究所の3社が共同で進めた実証実験である。3社は2016年3月に実証実験の実施を発表している(当時のニュースリリース1)。国際証券取引の決済プロセスの効率化に向けて、ブロックチェーン技術をうまく適用できるかを見るための実験である。

 ブースの説明員によれば、ブロックチェーン技術を応用したい富士通サイドと、国際証券取引の決済プロセスの効率化を行いたいみずほ銀行の思いが合致したという。同説明員によれば、現在はメッセージベースで行っているため3日間を要する同決済プロセスを、即日決済が可能なようにすることが狙いである。

 ブロックチェーンは中央サーバーなしで信頼性を確保できる利点がある半面、情報が参画者全員に伝わってしまうため、決済処理のような特定の参画者だけに情報を伝えたい用途には向かなかったという。そこで、ブロックチェーンの上のレイヤーに富士通研究所の暗号化技術をベースにしたセキュアー処理を実装した(当時のニュースリリース2)。これで、仮想通貨に用いられているブロックチェーンを、決済業務にも使えるようになった。

今回の実証実験の系 富士通と富士通研究所のスライド。
今回の実証実験の系 富士通と富士通研究所のスライド。
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 ブースでは3機関(ドイツの銀行、日本の銀行、日本の証券保管振替機構を想定)が参画する実証実験のデモを見せている。同説明員によれば、欧州の特定顧客にはこのデモを見せたが、CeBITのような公の場で紹介するのは今回が初めてだという。「ブロックチェーンはすでにコモディティー化した技術。今回のセキュアー技術で差異化してブロックチェーンの仮想通貨以外での用途を開拓したい」(同説明員)