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 「ISSCC 2016」(2016年1月31日~2月4日、米国サンフランシスコ)のメモリー分野は、NANDの大容量化・微細化、SRAMの微細化、およびDRAMの高バンド幅化が着実に進展し、過去最高記録の更新が相次いだ。こうしたメモリーの「正常進化」に加えて、車載向け高信頼混載フラッシュマクロなどのアプリケーション志向、新しいキャッシュメモリーやTCAMの発表もあり、内容に富んでいた。

 メモリーのセッションは3つあった。それぞれ、不揮発メモリー、SRAM、DRAMをテーマにする(SRAMとDRAMのセッションの記事はこちら)。3セッションで全14件の発表が行われた。このうち12件がアジアからの発表で、日本からは2件だった(いずれも不揮発メモリー)。以下に不揮発メモリーのセッションの講演を紹介する。

 セッション 7「Non-Volatile Memory Solutions」では、4件のフラッシュメモリーと3件のエマージングメモリーの発表があり、240名余りの聴衆を集めた。フラッシュメモリーにおいて最も聴衆の関心を集めたのは、米Micron Technology社の768Gビット3D(3次元) TLC NANDである(論文番号 7.7)。従来(256Gビット)から大幅な大容量化を達成した。2D(2次元)NANDと同じフローティングゲート型のメモリーセルで3次元積層を実現、アレー制御回路をアレー下に配置する工夫もなされた(日経テクノロジーオンライン関連記事1)。

 これに対抗するのが韓国Samsung Electronics社の256GビットTLC V-NAND(3次元)である(論文番号 7.1)。チャージトラップ型のメモリーセルを採用して第3世代まで進化し、WLスタック数を増やして大容量化を図った。3D NANDのメモリーセル構造に複数のアプローチが出てきた点は非常に興味深く、今後の両技術の展開に注目したい。

 さらにSamsungは2D NANDでプロセスノードを世界最小の14nmまで微細化したことについても発表した(論文番号 7.5)。NAND大容量化の舞台が3D化に移りつつある中、2Dでの微細化も着実に進展していることを印象付けた。

 ルネサス エレクトロニクスは世界初の車載高温信頼性対応の1トランジスタMONOS型混載フラッシュマクロを発表した(論文番号 7.6)。少ない追加マスクで実装可能で、車載対応の温度範囲で他の混載フラッシュより大幅に低い書き換えエネルギーかつ1億回の書き換えを実現した。アナログ、MCU、不揮発メモリーをワンチップ化する車載制御の新たなソリューション創出に貢献する混載不揮発メモリーになったという。