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実用化は2020年頃か

 ルネサスは今回の技術の詳細を、ISSCC 2017(IEEE International Solid State Circuits Conference)で口頭発表した(講演番号 3.5)。また同社本社で国内報道機関向けに説明会を行った。説明会では、報道機関側から実用化時期について質問があったが、同社は明言を避けた。ただし、今回のIMTSを搭載した車載マイコンの制御対象として最高回転数が現行のEVモーターの2倍の10万rpm以上の次世代EVモーターを挙げたことや、そのモーターを駆動するパワー半導体としてSiCデバイスを挙げたこと、IMTSの開発環境が2020年頃に整備予定であると説明したことから、2020年頃に発表の車載マイコンにIMTSが集積され、その2~3年後には同マイコンが実際にクルマに搭載されると見られる。

IMTSのIPコアとしてのロードマップ ルネサスの図。
IMTSのIPコアとしてのロードマップ ルネサスの図。
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 また国内報道機関向け説明会では、IMTSがロボット制御向けマイコンなど、他のアプリケーションでも有効なことも同社は語った。一般にクルマでは新方式の検証に時間がかかることから、IMTSを集積した車載マイコンよりも、IMTSを集積したロボットなど産業機器向けマイコンの方が早く実用化する可能性がある。なお、IMTSは同社のマイコンに集積されることに加えて、IP(Intellectual Property)コアとして社外にも提供される予定である。

 同社は今回、IMTSに向けた機能安全性を担保する技術も開発した。車載マイコンではCPUコアを2重化してロックステップ動作することが行われるが、IMTSの2重化は効率が悪いという。「CPUコアのチェックはクロック単位で行う必要があるが、IMTSのチェックはモーター1回転ごとなど、CPUコアよりもずっと長い間隔で行えば十分である」(ルネサス)。そこで、ロックステップ動作する2重化CPUコアが、IMTSの検算を定期的に行うようにした。この検算処理を行っても、CPUコアの負荷増加率は2.4%に抑えられるという。

2重化(左側)なしで、ロックステップ動作のCPUコアを活用して機能安全性を担保(右側) ルネサスの図。
2重化(左側)なしで、ロックステップ動作のCPUコアを活用して機能安全性を担保(右側) ルネサスの図。
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