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左がTimur Muradov氏で右がRoman LUDIN氏 それぞれSTM32L4シリーズのマイコンを使った携帯電話機、およびスマートメーターを持っている。日経エレクトロニクスが撮影。
左がTimur Muradov氏で右がRoman LUDIN氏 それぞれSTM32L4シリーズのマイコンを使った携帯電話機、およびスマートメーターを持っている。日経エレクトロニクスが撮影。
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STM32製品の累積出荷個数を示す電光掲示板 その下には小型の開発ボード「STM32 Nucleo」が展示されている。新シリーズの「STM32 Nucleo-144」は左から3列目の縦長の製品。日経エレクトロニクスが撮影。
STM32製品の累積出荷個数を示す電光掲示板 その下には小型の開発ボード「STM32 Nucleo」が展示されている。新シリーズの「STM32 Nucleo-144」は左から3列目の縦長の製品。日経エレクトロニクスが撮影。
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STM32 L4シリーズの概要 STMicroelectronicsの図。
STM32 L4シリーズの概要 STMicroelectronicsの図。
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 伊仏合弁STMicroelectronics社は、ドイツニュルンベルクで開催中の「embedded world Exhibition & Conference 2016」にブースを構えて、ARMコアマイコンの「STM32」などをアピールした。現在、STM32製品は15個/秒で生産されており、累積出荷数は15億個を超えたという。ブースには累積出荷数を示す電光掲示版が設置されていた。

 同社は昨年のembedded world Exhibition & Conference 2015の際に「ARMCortex-M4」ベースの低電力なマイコン「STM32L4シリーズ」を2製品発表しているが(日経テクノロジーオンライン関連記事1)、「非常に好評で今回6製品を追加した」(Technical Marketing ManagerのRoman LUDIN氏)。今回のブースには、昨年発表した2製品を採用したスマートメーターや携帯電話機が展示されている。携帯電話機はポーランド3City Electronics社が開発したもので、電子ペーパーをディスプレーに採用するなど低電力化を追求した製品。「充電なしで2カ月間使える」(Head of Sales and Marketing DepartmentのTimur Muradov氏)という。2016年中に米国で市場投入を図るとしていた。

 今回追加した6製品は、「STM32L471」と「STM32L475」、「STM32L432」、「STM32L433」、「STM32L442」、「STM32L443」で(日本語ニュースリリース1)、いずれも昨年発表した2製品の「STM32L476」と「STM32L486」(日経テクノロジーオンライン関連記事2)よりも機能/周辺回路が限定されている。なお8製品いずれもCPUコアの最大動作周波数は80MHzで、EEMBCの超低消費電力マイコン向けベンチマーク試験で76.70ULPMark-CPというスコアを降圧型DC-DCコンバーターを使用せずに達成したという。また、80MHz動作時に273.55というEEMBC CoreMarkスコアも得ており、ピーク性能と高い電力効率を両立していることを証明したとする。

LCDやUSBのないアプリ向け製品も

 追加した6製品のうち、STM32L471は、LCDコントローラーやUSB接続機能が不要なアプリケーションに向けた。最大1Mバイトのフラッシュメモリーや、省電力モードのある5Mサンプル/秒の12ビットA-D変換器、12ビットD-A変換器、プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)付きオペアンプ、コンパレーター、オーディオ機能などを搭載している。STM32L475は、さらにUSB OTGフルスピードコントローラーを搭載する。STM32L471とSTM32L475の両製品は、複数のタイマーやクロック源、およびCAN、SDMMC、USART、SPI、I2Cなどの各種通信インターフェースを備える。

 STM32L432とSTM32L433は、外付け水晶発振子無しで動作するフルスピードUSBコントローラーや、アナログおよびオーディオ機能を搭載する。さらにSTM32L433は、LCDコントローラーを備える。STM32L442とSTM32L443は、それぞれSTM32L432とSTM32L433に暗号化専用回路を加えたものである。STM32L432KBU6(QFN-32パッケージ、Flashメモリ128Kバイト、SRAM64Kバイト)の参考サンプル価格は約2.13米ドル。STM32L4シリーズの新製品は、2016年前半に量産が開始される予定である。

「STM32 Nucleo」の新製品を披露

 今回のブースでは、STM32マイコンに向けた低価格で小型の開発ボード「STM32 Nucleo」の新リーズ「STM32 Nucleo-144」も披露した(日本語ニュースリリース2)。これまでのNucleoに比べて大型で、既存のNucleo-64が備えるArduino UnoコネクターとST Morphoコネクターに加えて、新たにST Zioコネクターを搭載して拡張性を高めた。EthernetやUSBに対応した品種もある。

 STM32 Nucleo-144は、ST-LINKデバッガー/プログラマーを内蔵しており、デバッグプローブを用意する必要はない。また、スウェーデンIAR Systems社の「EWARM」、英ARM社Keilの「MDK-ARM」、およびGCC/LLVMベースのIDE(AC6 SW4STM32、Atollic TrueStudioなど)を含む統合開発環境でアプリケーション開発が可能である。2016年第2四半期に「ARM mbed」に対応予定で、PCにソフトウエアをインストールすることなく、ARM mbedのオンラインツールでアプリケーション開発が可能になる。

 STM32 Nucleo-144として、現在、「NUCLEO-F746ZG」、「NUCLEO-F429ZI」、「NUCLEO-F446ZE」および「NUCLEO-F303ZE」を出荷している。単価はEthernetコネクター搭載ボードが約23米ドル、同コネクター非搭載ボードは約19米ドルである。