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 「早ければ次の国会に『代理機関』を国が認定するための法案を提出する」――。

 内閣官房 健康・医療戦略室 次長の藤本康二氏は、「メディカルジャパン 2016大阪」の医療情報フォーラム基調講演に登壇し、このように述べた。代理機関とは、各医療機関から記名の医療情報データを集め、統計処理や匿名化を施した上で第三者に提供する存在のこと。現在、健康・医療戦略推進本部の次世代医療ICT基盤協議会で検討が進められている(関連記事)

内閣官房 健康・医療戦略室次長の藤本康二氏
内閣官房 健康・医療戦略室次長の藤本康二氏

 医療情報の利活用については、患者本人の承諾を得たうえで記名情報として利用できる「オプトイン」の世界と、医療機関ごとに匿名加工した情報を本人の承諾なしで利用する世界が並存する。だが、これでは医学研究や医薬品の開発における医療情報の利用がやりにくい。病院ごとに情報を匿名加工していると、複数の医療機関にまたがって1人の患者の病歴を追跡できなくなるためである。

 そこで、国の認定を受けた代理機関が、複数の医療機関から記名の医療情報を預かり、名寄せ処理で患者ごとに情報をまとめたうえで匿名処理しようというわけだ。いわば、医療情報の“ハブ”となることを目指す。

 匿名化された医療情報は、研究機関や製薬会社などの利用目的に応じて範囲を限定して提供する。「匿名データでも漏洩対策が大変。分析結果だけでいい」という利用者には、統計的に処理した分析結果だけを渡す。

 代理機関は、得意とする利用分野ごとに複数が認定される予定だという。「国としては信頼できる方々に代理機関として手を挙げてもらいたいし、そもそも手を挙げる人がいなければ困る。持続可能な事業の在り方を含めて話し合っているところだ」(藤本氏)。

 代理機関の活動開始は2018年を目標とする。「厚生労働省の方針では、複数の医療機関が共通に使用できる患者の識別ID『医療等ID』の利用開始が2018年から2020年。それに間に合うように代理機関の制度を整備したい」(藤本氏)。