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緑色の枠で囲んだ2台が参考出品した監視カメラ 中央上の監視カメラで黄色の枠で囲んだのが市販の超小型ビデオカメラ。右の監視カメラで赤い枠で囲んだ"立ち入り禁止領域"方向を撮影している。日経エレクトロニクスが撮影。
緑色の枠で囲んだ2台が参考出品した監視カメラ 中央上の監視カメラで黄色の枠で囲んだのが市販の超小型ビデオカメラ。右の監視カメラで赤い枠で囲んだ"立ち入り禁止領域"方向を撮影している。日経エレクトロニクスが撮影。
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CVNucleusシリーズの用途の例 東芝のイメージ。
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 東芝情報システムは、画像認識機能を備えた複眼の小型監視カメラを東京ビッグサイトで開催中の「組込みシステム開発技術展:ESEC 2016」(2016年5月13日まで)に参考出品している(ブース番号:西11-7)。東芝の画像認識プロセッサーIC「Visconti」と東芝情報システムの画像認識用ミドルウエアをベースにする。

 100枚入りの名刺入れを横に2つ並べた程度の大きさ(100mm×120mm×20mm程度)に、サードパーティー製の超小型ビデオカメラを2つ備える。信号処理用ハードウエアはVisconti3を中核にしており、データ記録とWiFi接続用に東芝の「FlashAir」(無線LAN機能を搭載したSDHCメモリーカード)を内蔵する。電源には市販のモバイルバッテリー(容量は10000mAh)を使っていた。

 ブースの説明員によれば、今回出品したような小型の監視カメラで画像認識機能を備えたものは、これまでにはなかった。Visconti3に、東芝情報システムの画像認識用ミドルウエア(Visconti3/2向けのCVNucleusシリーズ)を実装している。このミドルウエアが、内蔵の辞書を使って物体(人を含む)を認識する。

 複眼のため、物体の有無や種類の認識だけでなく、認識した物体までの距離を算出できる。また、連続画像から移動体の方向や速度を算出することも可能である。さらに、FlashAirを内蔵しているので、異常を検知した際に画像を記録したりその画像をホストに転送したりすることが可能だという。要望があれば、無線通信に3Gを使うことが可能だとしていた。

 ブースでは、立ち入り禁止区域に物体が入ったことを認識するデモンストレーションを行っている。用途としては、画像認識機能を備えているので監視する人が常駐していない倉庫の監視や、小型軽量かつ電池動作が可能なので収穫期の農地の監視やイベント会場の監視などを挙げていた。なお東芝情報システムは参考出品した小型監視カメラを単独で販売する予定はない。パートナーと組んでアプリケーション込みで広く産業ユーザーに提供したいとする。