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ジャパンディスプレイが開発した曲がる液晶ディスプレー
ジャパンディスプレイが開発した曲がる液晶ディスプレー
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液晶セルは薄く、しなやかに曲がる
液晶セルは薄く、しなやかに曲がる
ジャパンディスプレイがオーサーズインタビューで披露した。
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東北大学か開発した、曲げられる超薄型液晶セル
東北大学か開発した、曲げられる超薄型液晶セル
折り曲げるように曲げても、液晶の配向を維持できる。
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FlexEnable社が開発したフレキシブル液晶ディスプレーの試作品
FlexEnable社が開発したフレキシブル液晶ディスプレーの試作品
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液晶セルは柔軟で曲げられる
液晶セルは柔軟で曲げられる
FlexEnable社が展示会で披露した。
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 曲げたり折りたたんだりできるフレキシブルディスプレーといえば有機ELの独壇場だったが、状況が一変するかもしれない。液晶によるフレキシブルディスプレーの開発が進んでいるからだ。液晶は有機ELに比べて信頼性が高いという特徴がある。現在開催中のディスプレーの学会「SID 2016」では、フレキシブル液晶ディスプレーの開発成果が目白押しとなった。

 曲がる液晶ディスプレーの技術開発について発表し、試作品を披露したのがジャパンディスプレイだ(発表番号:9.2)。試作品は、展示会場とシンポジウムのオーサーズインタビューで見せた。開発したフレキシブル液晶ディスプレーは、基板にポリイミドを採用し、その上に強度を確保するためのアクリル樹脂層を設けている。また、ポリイミドのようなプラスチックを基板に用いると、斜めからディスプレーを見たときに発生するバックライト光の漏れを防ぐ必要があるために、ポリイミド基板と偏光板の間に、「ポジティブCプレート」と呼ばれる光学補償フィルムを導入している。

 展示会などで公開したフレキシブル液晶ディスプレーは、曲率半径500mmで曲げていた。ディスプレー全体の厚みは400μm。ポリイミドとアクリルから成るプラスチック基板1枚の厚みは10μmである。今後の開発課題の1つはバックライトだという。現在のLEDバックライトでも、導光板は薄く、ある程度曲げることはできる。しかし、折りたたむように曲げるには、もっと薄いバックライトが必要になるという。

 東北大学は、折りたたみ型を目指したフレキシブル液晶ディスプレーの開発成果を、シンポジウムで発表した(発表番号:9.1)。曲げたときに液晶が流れて表示が乱れないように、液晶セル内に高分子材料で壁を形成した。また、斜めからディスプレーを見たときの画質劣化を防ぐために、JDIと同様に、「ポジティブCプレート」と呼ばれる光学補償フィルムを導入している。試作した液晶セル全体の厚さは100μm以下(バックライトは含まない)。プラスチック基板の厚みは10μm、液晶層の厚みは5μm。

 今後の開発課題について、東北大学大学院 工学研究科電子工学専攻 准教授の石鍋隆宏氏はJDIと同様にバックライトを挙げる。現在のバックライトの導光板は曲率半径20mmまで曲げられるが、さらに曲げようとすると、もっと薄い導光板が求められる。また、現在のバックライトはパネルを正面から見たときに明るく見えるように集光させているが、そのままだと液晶ディスプレーを曲げたときに、曲がった部分の表示が暗くなってしまう。この対策も今後の課題になるという。

 展示会場では、英FlexEnable社がフレキシブル液晶ディスプレーの試作品を披露した。プラスチック基板上に有機TFTを形成し、液晶を駆動している。用途は、ウエアラブル機器を想定する。ウエアラブル機器に必要なセンサーなども、フレキシブルデバイスとして作製する考えだ。同社は、有機TFT駆動の電子ペーパーを開発していた英Plastic Logic社のメンバーが設立した会社である。

 この他、台湾AU Optronics社が曲率半径20mmのフレキシブルディスプレーの開発技術をシンポジウムで発表した。基板にはポリイミドを用いている。画面サイズは3.5型で、ディスプレーの厚みは25μm以下としている(バックライトは含まない)。