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図1 G10のa-Siの生産ラインにアニール化工程を追加し、TFTチャネルを結晶化して作製した19.5型液晶
図1 G10のa-Siの生産ラインにアニール化工程を追加し、TFTチャネルを結晶化して作製した19.5型液晶
オーサーズインタビューの会場で、筆者が撮影。
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図2 Partial Laser Anneal Silicon(PLAS)法(右)と従来のアニール法(左)の比較
図2 Partial Laser Anneal Silicon(PLAS)法(右)と従来のアニール法(左)の比較
発表論文(論文番号 67-1)に掲載された図より引用。
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図3 SID 2016の展示会場でのギガフォトンの展示
図3 SID 2016の展示会場でのギガフォトンの展示
同社が持つ複数のレーザー光源の特徴を示していた。また、正面のビデオでは、マイクロレンズアレーを用いてTFTを部分的に結晶化する技術をアピールした。筆者が撮影。
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 堺ディスプレイプロダクト(SDP)が第10世代(G10)基板での低温多結晶Si(LTPS)技術を、現在開催中のディスプレーの学会「SID 2016」で発表した(論文番号 67-1、関連記事)。G10の大型基板でのLTPS技術の実現では、パネル技術と共に、アニール装置およびレーザー光源が重要な役割を果たしている。

 SID 2016のシンポジウムでの発表内容によると、同社は「Partial Laser Anneal Silicon(PLAS)」と呼ぶSiの結晶化技術によって、ボトムゲート構造で移動度28.1cm2/Vsを実現した。この結果、最大サイズ120型までの大画面LTPS液晶パネルおよび有機ELパネルを実現することが可能になったという。

 これまで第6世代(G6)が基板サイズの上限だったLTPS技術だが、一気にG10以上まで適用できるようになった。これは、アニール装置とレーザー光源の貢献が大きい。アニール装置はブイ・テクノロジー製であり、レーザー光源はギガフォトン製である。ギガフォトンは、併設の展示会で、このレーザー光源の特徴をアピールしていた。

 今回のパネルの製造プロセスでは、4~5枚のフォトマスクを使用するアモルファスSi(a-Si)の製造工程の途中に、レーザーアニールを追加し、TFTのチャネル部分のみを結晶化する。このため、既存のa-Si TFTパネル生産ラインに追加投資してLTPS TFTパネルを生産する場合、従来のLTPSに比べると、今回の新LTPSでは追加投資額が1/9で済むという。オーサーズインタビューでは、実際にG10基板で作製した19.5型のQVGAパネルを展示した(図1)。

 先述のように、今回G10の大型基板でのSiの結晶化を実現可能にした技術が、ブイ・テクノロジーのアニール装置と、その光源となるギガフォトンのXeFレーザーである。ブイ・テクノロジーのアニール装置では、マイクロレンズアレーを用いて、TFTチャネル部の必要な箇所のみレーザーを照射する。このため、大画面でも均一な結晶化Siを形成することができる(図2)。同社はこの技術を、2015年のSIDで発表している(SID 2015、論文番号27-4)。

 光源となるレーザーは、ギガフォトンの351nmのXeFレーザーである。同社のレーザー光源の特徴は、「Injection-Lock System」と呼ぶ構造でパワーを増幅し、さらにマイクロレンズアレーと組み合わせることによってメンテナンス寿命を大きく延ばして、ランニングコストを従来の1/4にしたこと。同社は、このレーザー光源をSID 2016の展示会で紹介していた(図3)。