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ポートの伊藤氏
ポートの伊藤氏
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 医師でポート 執行役員 ポートメディカル事業開発担当の伊藤恭太郎氏は、セミナー「遠隔診療は医療を変えるのか?」(2016年6月12日、主催:日経デジタルヘルス)に登壇、「遠隔診療、患者のニーズを探る ~Webアンケート結果から見えた真実~」と題して講演した。

 ポートは就活・転職支援サイト、旅行情報サイト、ヘルスケアサイトなどを複合的に展開するメディア企業。2015年に遠隔診療サービス「ポートメディカル」のアルファ版を開始して医療領域に参入。その結果をもとに、2016年夏に本格的なサービス提供を予定する。

 伊藤氏自身が救急科専門医の資格を持つ医師であることから、専門的な視点でサービスに関わっている。あくまで仮説としながら、遠隔診療における付加価値として、(1)医療従事者と患者間コミュニケーションコストの大幅削減、(2)対面診療以外での生体データ情報収集の質・量が増大することの2点を挙げた。「ポートメディカルでは生活習慣病の予防、そして対面診療が難しい人たちに対して診療の機会を提供していきたい」(伊藤氏)。

遠隔診断で受診したい疾病は…

 事業の裏付けとするため、ポートでは日本全国3000人の男女に遠隔診療についての独自Webアンケートを実施。6割以上が「遠隔診療」という言葉を知らないことが判明した。ただし、再診以降を遠隔診療に切り替えても抵抗がないと答えた人は約3割、遠隔で医療相談をしたいと答えた人は6割近くを数えるなど、積極的な姿勢も見受けられたという。

 遠隔診断で受診したい疾病に関しては、高血圧、脂質異常症、アレルギー、メンタルヘルス、疲れ、頭痛などが多かった。伊藤氏は「期待される診療科目は侵襲性が低く、かつ定期的、慢性的なもの。メンタルヘルスに関しては人目につかないという部分での期待もあるのではないか」と語った。

 ポートでは宮崎県日南市と連携し、無医師地区での実証事業を開始している。患者に対するケア不足に遠隔診療がどのように役立つかを検証中だ。初診は対面診療とするが、再診以降はポートメディカルのプラットフォームを使い、無医師地区の公民館から保健師、看護師経由で医師による遠隔診療を支援する。「診療の質がどこまで担保されるか――この点に関しての不安はあるが、遠隔診療は相談しやすさ、アクセスのしやすさなどから受診のハードルを下げることができる」(伊藤氏)。