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パフォーマンスレベルの情報も必要

 今回の取り組みでは、デジタルデータのまま保有し、電子処方箋情報と併せて医療機関などに提供することを考察した。「フォーマットが共通化、標準化されていれば、患者の同意の下、どの診療・ケア施設においても参照、利用可能と考える」(同氏)と述べた。

 しかし、同氏はADL(日常生活動作)が低下した患者の場合は、これらの情報だけでは不十分だとし、ICDに基づいて整理・可視化した病名列に加え、ICF(国際生活機能分類)に基づいて標準コードが付されたパフォーマンスレベルをサマリー内プロブレムリストに統合する必要があると説いた。「例えば、『脳梗塞後、高血圧症、糖尿病あり』という病名が伝達されても、退院後に在宅などで訪問看護、ケアにあたるスタッフにとっては、サービスの指針にはならない」(同氏)からである。

標準コードを埋め込んだプロブレムリストの構造例
標準コードを埋め込んだプロブレムリストの構造例
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 「標準化・電子化されているわけではないが、あるリハビリテーション病院の退院サマリーでは、FIM(機能的自立度評価法)を用いて入院時・退院時の状態(パフォーマンスレベル)をレーダーチャートで示して提供している」(同氏)という例を挙げた。

 そして同氏は、これら「キーとなる画像情報」「キーとなる検査歴」「プロブレムリスト」「処方情報」「パフォーマンスレベル」を標準化されたフォーマットで記録したデジタル情報を患者自身に提供していくことが望まれると述べた。「要配慮個人情報の第三者提供は個人の承諾が必要。患者個人に提供すれば、患者自身の意志でヘルスケアプロバイダーに提供して活用することが可能になる」(同氏)とした。その活用方法として、「健康インフォメーションデータセンターのような機関に預託し、患者の同意により健康情報を引き出す――ということができれば、災害時の診療にも役立てられる。“医療情報のATM化”である」とPHRへの活用を展望した。