PR

PHRの実現には不可欠

 自分の健康にかかわる情報を連続的に蓄積するPHR。現状は、同一人の健診データは年代や職場ごとに分散しており、小児科受診時の診療情報が成人になって引き継がれることはまずない。

 山本氏は「日本人の3大死因とされる、がん、脳血管障害、心血管障害は生活習慣に由来するケースがほとんどで、非常に長い経過を経て発症する」とし、学籍簿で管理される学校健診データ、社員番号で管理される職場の健診データ、あるいは被保険者の記号・番号で管理される特定健診データなどを1つのIDで結合して、生涯を通じた健康情報を一元化することが重要だと強調。「PHRの実現には医療等IDは不可欠。ただ、最初のID付与を母子手帳発行時とするのか、データをPHRに格納するときに誰が、いつIDを発行し、どうやって取得すべきかなどは検討されていない」とした。

 また、医療等IDの申請の仕方(申請可能な機関の範囲)、医療等IDにひも付く情報とひも付け方(出生時の情報など後追い情報のひも付けの仕方)、本人同意の取得方法、本人が情報にアクセスする手段(ひも付けの解除機能などのアクセスコントロール権)など、多くの検討課題が残っており、「今後、1年間をかけて検討していく」と述べた。