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京大病院で進む多彩な取り組み

 京都大学病院の第6世代目の病院情報システム(HIS)は「KING6」(Kyoto university hospital INformation Galaxy)と呼ばれ、アプリケーション仮想化とネットワーク仮想化を導入した構造だ。これにより、基幹系と情報系システムを論理的に分離・運用することにより、情報漏えいや不正アクセスのリスクを低減しつつ、ユーザーのニーズを満たす環境を構築している。

 データを直接HISに登録する仕組みとして、デジタルカメラの撮影画像を患者個別のフォルダに自動的にアップロードする仕組みや、バイタルデータを簡便にHISに送信するバイタルデータターミナルと呼ばれるシステムを導入している。

 前者のデジタルカメラで撮影した患者の褥瘡写真などを登録する仕組みは、まず患者リストバンドのバーコードをデジタルカメラで認識させ、その後に撮影した画像をカメラに装着した無線LAN対応のSDメモリーから直接データ登録するものだ。「看護師は患者のバーコードと写真を撮影するだけで、手間をかけずにデータ登録と患者ごとの画像整理ができる。また、ウイルスを取り込むリスクを高めるUSBソケットを利用しない環境を作れる」(黒田氏)。ユーザーの可用性を向上させつつ、セキュリティー対策にもなる工夫である。

 後者のバイタルデータのアップロードは、各ベッドサイドに設置したバイタルデータターミナルと呼ぶ“電波灯台”に、NFC(近距離無線通信)対応のバイタル測定器をかざすだけ。これだけで、正確なデータ登録が可能になる(関連記事)

 一方、HISに蓄積されたデータを活用するためのサービス提供の仕組みにも、安全性と利便性を両立した要素が盛り込まれている。その1つが、カンファレンス支援システムだ(関連記事)。術前カンファレンスでは、事前にそのためのデータを、時間と手間をかけて準備する必要がある。導入したシステムを使えば、「手術スケジュールに基づいて対象患者のリストが自動的に作成され、必要となるデータがルールに基づいて自動的に抽出される」(黒田氏)。これも、ユーザーの可用性を向上させる仕組みの一つだと位置付けた。