ホンダは、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)から家電製品へ給電できる高出力の外部給電器「POWER EXPORTER 9000」を「CEATEC JAPAN 2015」(幕張メッセ、2015年10月7~10日)で初出展した(図1)。定格出力は9kVA(9kW相当)で、大型エアコンや医療用精密機器などにも給電できる(図2)。災害時の非常用電源として、自治体や病院などの公共施設への普及を目指す。
同製品は、EVの急速充電用「CHAdeMO」端子にケーブルを接続して使用する(図3)。外部給電用としては、100V出力を6系統、200V出力を1系統有し、90Aまで給電可能という(家庭用電源の100Vコンセントは、通常15A、図4)。インバーターにマイコン制御式「正弦波インバーター」機構を採用し、安定した波形の交流電力を生成できる。このため、鳥取大学医学部附属病院との共同研究によれば、災害時の使用を想定する医療機器類を正常に使えたという(図5)。EVやFCVを使用するため、排ガスや騒音が発生せず使用場所を選ばない。