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準優勝は「Dのイシ」の「Patient Story」

 次に登壇したのは、準優勝チームの「Dのイシ」。抗がん剤の副作用などを記録できるがん患者向けアプリ「Patient Story」を発表した。

Dのイシの発表の様子
Dのイシの発表の様子
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 がん患者はがんの症状や痛みに加えて、抗がん剤の副作用や精神的な落ち込み、生活の不安なども抱えていることが多い。また、副作用には神経性の症状も多く、患者の抱える副作用の深刻度を医師が正確に把握できていないケースもあるという。そこでDのイシが開発したアプリは、どんな副作用が、いつ、どんな度合いで起きたのか、客観的な記録を残すシステムだ。

 このアプリでは、疾患、既往歴、服薬などについて記録・閲覧が可能。服用中の薬ごとに、想定される副作用をリストアップし、どんな副作用がどんな深刻さで起きたのか、選択式で記録できるようにした。米国National Cancer Institute(NCI)のCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)スケールを採用しており、客観的な情報の蓄積が可能だ。皮膚の副作用を写真で撮影して情報を蓄積する機能も用意する。

 これらの副作用情報を医師に共有するサービスも検討中だ。当初はプリントアウト版で、将来はブラウザー版での共有を可能にする考えだ。また、ユーザーが掲示板でほかの患者と交流したり、悩みを相談したりできる機能も装備する。

 アプリは当初は無料とし、一定の規模になったところで、患者会の入会金のような形で課金する方針だ。価格は500円程度を予定。月額ではなく、売り切りとする。顧客の質を確保するとともに、アプリの質を担保する意味合いでの課金という。収集したデータは、がん領域に取り組む製薬企業などに販売し、サービス向上のための資金に充てる。

 ターゲットは当面、乳がん患者に絞る考え。女性のほうがログを取る習慣があること、女性のがん罹患者の中で患者数が多いこと、若い患者が多いためこうしたサービスになじみやすいとみられること、などが理由だ。将来は、他のがん領域や海外へも展開を図る。開発チームは、コンテスト開催時点の5人に、エンジニア2人、デザイン担当2人を加えて現在は9人体制に拡大しているという。