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経済産業省の江崎氏
経済産業省の江崎氏
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 どの講演も立ち見が出る盛況ぶりとなった「デジタルヘルスDAYS 2015」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のカンファレンス。中でも、事前申し込みが最も早く締切となり、会場が数多くの聴衆で埋め尽くされたのが、経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課長の江崎禎英氏による講演だ。

 江崎氏は、今後のヘルスケアビジネスを多角的な側面から支援・推進する立場から、経済産業省の取り組みを紹介した。同氏はまず、「ヘルスケア産業課では“高齢化対策”という言葉は禁じている。なぜなら、人が健康で長生きしようとすれば社会は必ず高齢化するからだ。つまり、高齢化社会というのは我々の成果である」と切り出し、年間40兆円を突破した日本の国民医療費も、「健康のためにきちんと使われていれば高くはない」とした。

 江崎氏はがんや糖尿病、高血圧など代表的な疾患に関するデータを示しながら、現役世代は医療費をさほど利用せず、その多くが「人生の最後の数年間に費やされる」と指摘。そこに“ムダ”があると同氏は強調する。

 「例えば糖尿病の予備軍は900万人とも言われる。通院すると30万円、重症化した際に必要となる人工透析では500万円かかる。しかも人工透析は一生やり続けなければならない。この500万円を使っている人たちの1/3はほぼ食事療法で治ると言われているにもかかわらず、その多くが取り組もうとしない。きちんと管理していけば、実は医療費を劇的に削減できるどころか、新しいビジネスが生まれるはずだ。そこから本当に意味のある治療に持っていけるのではないか」(江崎氏)。

 このように、医療費削減は日々の健康管理と地続きのものになる。今後、高齢者支援の分野で重要になる「地域包括ケア」。経済産業省では、その先にある地域活性化を支援していきたいと話す。江崎氏は「社会とのつながりを密接にし、ペースダウンしても現役であり続けることが必要。この生活で健康管理をして、いくばくかの収入があればなお良い。大事なのは役割を持つということ」と述べ、高齢者の緩やかな社会参加を促していく方針を示した。