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FDAの薬事申請手続きにブロックチェーン

 ブロックチェーンを活用した成功例とされているのが、エストニアの電子政府である。住民基本台帳に加えて保険医療データ、民間の電力・ガス・通信などすべてがインターネット上で管理されている。「国民の一人ひとりが自身のポータルサイトで手続きや情報の閲覧ができ、誰が自分の情報を照会したかすべて監視できるようになっている。このプラットフォームで、1年間に804年分の人件費を節約できた」(水島氏)という。

 医薬品のサプライチェーンにも活用されている。具体的には、偽薬の監視や薬剤リコールが発生した際に迅速にきちんと回収するために使用している。さらに米国では、FDAが薬事申請の手続きにブロックチェーンを利用すること検討している。電子申請をはじめ、治験データの認証に利用し、データの不正改ざんなどを防止しようという試みである。

 患者情報の共有・管理における活用では、個々人が情報を登録し、情報の閲覧許可や同意管理などへの応用が研究されている。例えば、遺伝子情報の管理にも活用できると期待されている。

 ブロックチェーンの興味深い点は、多くのさまざまな参加者で情報を共有・連携できる点にある。そのため、医療にかかわる多業種による多職種情報連携・共有に使える可能性がある。「患者、医療機関、介護事業所、さらには自治体、保険会社、製薬・治験会社などに対して、参加許可や認証、データ利用のためのトークン発行などが自らの権限で可能になるだろう」(水島氏)。