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国内で実運用に入った事例も

 国内でも医療分野にブロックチェーン技術を活用した実証実験が行われ、実運用に入った事例も出てきている。

 東京海上日動火災保険が飯塚病院(福岡県飯塚市)との間で行った実証実験では、保険金支払にかかわる医療情報を安全にやり取りする仕組みとしてブロックチェーン技術を利用した。この実証フィールドで利用されたのは、エストニアに本社を持つPlanetway Japanのプラットフォーム。エストニアの電子政府を支える技術である「X-ROAD」を基に開発されたものだという。

 北海道のINDETAILら3社は、ブロックチェーンを活用した医薬品のデッドストック販売プラットフォームの実証実験を2017年から行っている。このプラットフォームは、調剤薬局の薬剤在庫情報を共有し、互いに流通させてデッドストックの解消を狙った仕組みだという。

 ブロックチェーンを使ったPHRを運用し始めたのが、Arteryex(東京都港区)だ。健康管理アプリからアップロードしたデータをブロックチェーンで管理するもので、健康・医療関連データの二次活用も視野に入れている。「企業や研究機関からデータ提供の申し出があった際に、利用者が自らの許諾で匿名または実名でデータ提供し、その対価を得られる仕組み」(水島氏)だという。

 2018年に実運用を開始したのが、日本医師会の「かかりつけ医 糖尿病データベース研究事業(J-DOME)」だ。「医療ブロックチェーン研究会発足以来、災害時の医療データバックアップや透析患者の電子透析手帳、診療データの管理・提供など、さまざまなテストベッドを研究している。その研究会から巣立ったのが、J-DOME」(水島氏)だという。

 J-DOMEでは、医療福祉クラウド協会(MeWCA)が構築したプラットフォームのブロックチェーン技術を利用している。かかりつけ医に通院する糖尿病患者の診療データを収集し、糖尿病診療の実態把握や治療の有効性の検証などを行う事業である。