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「こんなデータが必要だ」と求めてほしい

 次世代医療基盤法では、国が認定する「認定匿名加工医療情報作成事業者」(認定事業者)にだけ、医療機関は匿名加工しない生の医療情報を第三者提供できるようにした。認定事業者に情報提供する際には、「患者本人に書面で通知し、拒否されない場合に患者情報を提供できる」(田中氏)。

 認定事業者は生の医療情報を収集できるので、基本4情報(氏名・住所・生年月日・性別)などによって名寄せが可能になる。そのため、複数の医療機関を受診する患者、あるいは生涯にわたる一患者の診療内容および診療結果をつなぎ合わせた「非常に価値のある医療情報データベースを作ることが可能」(田中氏)になる。名寄せについては、「将来的には医療等IDとして議論されている方法を利用できるようにしたい」(同氏)という。

 研究機関や企業がデータを利活用する際は、認定事業者によって匿名加工された医療情報が有償で提供される。データ提供には、認定事業者と利活用者の詳細な打ち合せの下、認定事業者の審査委員会の承認が必要になる。医療分野の研究開発と言えないようなデータの転売などは認められない。「利活用者が医療分野の研究開発において、どのような目的で、何の情報を、どの範囲で共有するのか。契約に基づいて、利活用者個別にデータが提供される」(田中氏)。

 田中氏は、「どのようなデータがそろっているのか」とよく聞かれるという。しかし、利活用を考える研究機関や企業は、「こういう目的で、このような研究開発をしたいので、こんなデータが必要だ」というニーズを認定事業者に寄せてほしいと同氏は強調する。