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「一人ひとりの参加がみんなの恩恵に結びつく」

 田中氏はデータ利活用の恩恵として、「新たな治療法や新薬、革新的な医療機器開発を促進するなど、さまざまな可能性を秘めている」と語る。その実現のためには、将来にわたって認定事業者の情報基盤の拡充と利活用推進の好循環を生み出す必要があるとし、患者・医療機関・データ利活用者に同法の趣旨の理解と協力を求めた。

 「患者・国民には医療全体が良くなるという趣旨を理解いただき、情報提供を拒否しないでいただきたい。医療機関は、データ提供は任意だが、院内の倫理審査委員会の審査なしで提供できるよう厚生労働省のガイドラインを改正し、負担軽減を図った」(田中氏)。

 制度運用にかかわる費用負担については、「診療報酬や基金を活用するものでなく、基本的に利活用者のデータ利用料によって自立運営される」と田中氏は説明する。医療機関は、データ提供に向けて院内システムの改修などコストがかかる場合もあるが、「そのコストは医療機関と認定事業者との個別の契約により、認定事業者が負担することもあり得る」(同氏)とした。

 現時点では、まだ認定事業者の認定がなされていない。「できるだけ早く進めたいが、強固な情報セキュリティーを担保することが重要であり、しっかりとした体制を整備しなければならないため、一定の時間がかかると考えている」と田中氏は言う。最後に同氏は、あらためて「次世代医療基盤法は、一人ひとりの参加がみなさんの恩恵に結びつくよう、ご理解とご協力をお願いする」と訴え、講演を締めくくった。