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実用化された糖尿病網膜症のAI画像診断

 (3)の臨床および運用の有効性最適化の領域としては、まず浜松ホトニクスと連携したAIによる認知症の早期診断支援サービスについて説明した。浜松ホトニクスはバーチャルスライドスキャナやPET診断装置などを開発する一方、浜松PET診断センターをグループ財団が運営している。

 同センターでは2003年頃から約1200人、2万8000件の検診データを蓄積。健常者と、その人が認知症を発症した段階の両方のPET画像やMRI画像を保有している。これらの画像とマイクロソフトのリサーチ部門が持つ画像認識のコグニティブサービスを組み合わせることで、認知症の進行度合いをAIで予測し、医師にフィードバックすることができるという。「開発中の段階だが、なるべく早く商用化ベースに乗せたい」(大山氏)とした。

 また、既に実用化レベルに入っているAI画像診断の事例としては、米Intelligent Retinal Imaging Systems(iris)との連携による眼底画像診断にAIを活用したケースを挙げた。糖尿病患者の網膜症を早期診断することを目的としたサービスである。

 眼科で撮影した糖尿病患者の眼底写真をクラウドに送るとAIが画像解析を行い、網膜症の進行傾向を眼科医にフィードバックする。「診断の正答率は96%を上回り、しかも10分以内に結果を通知できる。既にFDAでクラスⅡ医療機器の認証を取得」(大山氏)しており、実用化されている。

 画像診断支援以外のAI応用では、きりんカルテシステムに技術支援した電子カルテ情報の構造化がある(関連記事)。電子カルテに入力された自然文章から病名や薬品名、用量、処置などの重要な情報を抽出し、標準的な記載に変換した構造化データを作成するものである。