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岡山大学の笠原氏
岡山大学の笠原氏
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 独自に開発したネットワーク対応型多機能携帯心電計と、呼吸や体動を検知・伝送する在宅モニタリングシステムを活用した在宅・遠隔での見守りが、介護者の介護負担軽減に有用か――。岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 教授の笠原真悟氏らは、「第20回 日本遠隔医療学会学術大会(JTTA 2016)」(2016年10月15~16日、主催:日本遠隔医療学会)の一般演題で発表した。

 笠原氏らが開発した遠隔モニタリングシステムは、ホルター心電計として認可を取得したネットワーク対応型多機能携帯心電計(メディリンクがCarPodとして製品化)を用いたもの。遠隔で心電図モニタリングを可能とし、加えて生体情報センサーマットにより呼吸・心拍・体動・体温(体表面温)を遠隔でリアルタイムに観察できる「安心見守りシステムおだやかタイム」と呼ぶWeb対応型のモニタリングシステムである(関連記事)

おだやかタイムのモニター画面
おだやかタイムのモニター画面
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 データはスマートフォンなどでも確認でき、緊急アラームメールなどの呼び出し機能も実装している。同システムは、岡山市の介護特区事業の1つである介護機器貸与モデル事業に採用され、市内の要介護者に利用されている。

 今回の研究は、そうした介護機器貸与モデル事業に登録された23人のうち、聞き取り調査可能な11人を対象とした。年齢は全例65歳以上で、介護医療給付対象者。

 介護状況や介護負担感に関する調査は、自記式調査票によって行った。要介護者には性別・年齢・要介護度・利用サービス、同居家族の有無、ADLなどを、介護者には性別・年齢・続柄、介護状況(頻度、時間など)、介護負担感、抑うつ傾向などを聞いた。「介護負担感はZarit介護負担尺度、抑うつ度はK6スコアを用いた」とし、介護分野で認められている有用な方式で実施した。

 Zaritは介護負担という概念を最初に定義し、身体的負担、心理的負担、経済的困難などを総括し、介護負担として測定することが可能な尺度で、22の質問項目について0~4点の5段階で負担感を自己評価するもの。また、K6スコアは、6つの質問について自分の精神状態を0~4点で採点し、抑うつ度をみるもので、職場のメンタルヘルステストとしてよく用いられる。