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 ワイヤレス給電は今、キャズムに直面している。キャズムを越えた先に巨大なマーケットが待ち受けている――。

 米Integrated Device Technology(IDT)社は、米国の半導体メーカーが集うカンファレンス「euroasiaPRESS 1:1」において、ワイヤレス給電を普及させるための同社の戦略を語った。Wireless Power Consortium(WPC)がワイヤレス給電の規格「Qi」を策定して以来、Qi規格対応製品は増えてはきたが、当初期待されたほどの普及の勢いがあるとは言い切れない。IDT社Director, Product Marketing, Analog and Power DivisionのLaurence McGarry氏は冒頭の言葉でワイヤレス給電の状況を表現し、同社が2015年8月に発表したワイヤレス給電の開発キットがワイヤレス給電の普及を後押しするとの見方を示した。

米IDT社Director, Product Marketing, Analog and Power DivisionのLaurence McGarry氏
米IDT社Director, Product Marketing, Analog and Power DivisionのLaurence McGarry氏
 IDT社によれば、ワイヤレス給電は豊富な開発リソースを持つ大手企業が「アーリーアダプター」として取り組む時期から本格的な普及期へ移行する端境期にあり、普及期の担い手は開発リソースが限られる中小規模の企業や電子機器の開発経験に乏しい企業になるという。白物家電や玩具など、多様な分野に使われるようになって初めて、本格的な普及期といえるとする。こうした普及期の担い手が簡便にワイヤレス給電対応機器を開発できるようにIDT社が市場投入したのが、ワイヤレス給電の開発キットである。
キャズムを越えた先に、ワイヤレス給電のアプリケーションは広がっていると、IDT社のMcGarry氏が説明
キャズムを越えた先に、ワイヤレス給電のアプリケーションは広がっていると、IDT社のMcGarry氏が説明
 IDT社の開発キットはQi規格における5Wの給電に対応し、送電キット「P9038-R-EVK」と受電キット「P9025AC-R-EVK」で構成する。それぞれ送電システムや受電システムを構成するICなどの部品やアンテナを備えており、電子回路の専門家でなくても機器などにワイヤレス給電システムを組み込めるという。送電アンテナと受電アンテナの距離が7mm程度であれば、75~80%の変換効率を得られるとする。
ワイヤレス給電の開発キット
ワイヤレス給電の開発キット