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HPKI普及のきっかけと期待される電子処方箋

 続いて、日本医師会の矢野氏がHPKIの歴史と普及状況を説明した。矢野氏によると、HPKIの検討は2003年、厚生労働省の医療情報ネットワーク基盤検討会で始まった。翌年、HPKIを「必要不可欠なシステム」とする同検討会の最終報告書がまとめられ、2006年に個々のHPKI認証局の信頼性を保証する「HPKIルート認証局」が厚生労働省によって構築された。続いて、2007年にMEDISがHPKI認証局を設置。日本医師会は日本医師会認証局を運営する電子認証センターを2013年に設置して、2014年から署名用電子証明書や認証用証明書を一体化したICカード型の医師資格証を発行しているという。

 矢野氏によると、2015年度中に導入解禁となる「電子処方箋」が、HPKI普及のきっかけとして期待されているという。電子処方箋では、作成者の本人確認や改ざん防止のためにHPKIの電子証明書が使用されることになるためだ。

 ワークショップではこのほか、日本薬剤師会の河野行満氏が仮運用中の薬剤師HPKI認証局、旭川医科大学の谷川琢海氏がスキャンした紙の文書を電子カルテシステムに取り込む際にHPKIによるディジタル署名を添付するという取り組みを発表した。最後に登壇した日本医師会常任理事の石川広己氏は、日本医師会のICT戦略、認証用証明書を一体化した医師資格証の使い方、「島根県まめネット」の電子紹介状におけるHPKIの活用例などを紹介した。石川氏は2015年11月現在のICカード型医師資格証の普及状況を「(予定より)遅れている」とした上で、「2016年4月から(医師会の)研修会の出席確認にICカード型資格証の提示を義務付ける。それで、爆発的に普及するだろう」という見通しを述べた。