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バイナリーDNNのデジアナ混在アクセラレーター

 Session 13の5番目の講演は、ベルギーKU Leuvenと米Stanford Universityとの共同発表である。バイナリーDNNのミックスト・シグナル(デジアナ混合)・アクセラレーターを提案した。バイナリーDNNは重みと活性化入出力を1ビットにすることで乗算をEXNORゲートに置き換える技術であり、特にエッジデバイス向けのDNN技術として注目されている(後述のようにセッション 31で類似技術が3件発表される)。この発表のミックストシグナル技術はDNN汎用ではなくConvolution層のみに適用するもので、キャパシターカップリングによりチャージドメインで累算を行うコンセプトと、その仕組みに合わせこむ形でDNNの構造自体を変える(フィルターサイズを2×2に限定する)大胆な割り切りは注目に値する。

 今回のISSCCの機械学習ハードウエア関係の一般発表論文を下図にまとめた。この記事で取り上げたSession 13以外に複数のセッションでDNNやニューロモルフィック関係の発表がある。バイナリー、インメモリー、ミックストシグナルという特徴を共有するDNNハードウエアの発表が計4件と多い点が今回の際立った特徴となった。2017年のVLSIシンポジウムで北海道大学からバイナリー、インメモリー、デジタルのDNNプロセッサーの発表があり、それを先行研究として、幾つかの異なる方法で積和演算をミックストシグナル化した論文が一気に発表された格好である。なおこれらの発表はすべて大学からのものであり、産業界の動向をどの程度先取りしたものになっているかどうかは、個々に注意して見る必要がある。

機械学習ハードウエア関係の一般発表論文。筆者作成。
機械学習ハードウエア関係の一般発表論文。筆者作成。
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