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 米国テキサス州フォートワースで開催の「ITC(International Test Conference)2016」(2016年11月13日~18日)では、車載ICの信頼性をテーマにしたパネル討論会があった。「Special Session 8:Automotive IC Quality & Reliability: Today’s Challenges& Solutions」がそれである。

 このセッションは、プログラム上の分類は特別セッションだが、内容はパネル討論であり、ISO26262対応の車載IC品質をめぐる様々な課題について議論された。独University of Stuttgart教授のH、-J. Wunderlich氏がモデレーターを務め、パネリストは半導体関連企業4社の専門家だった。各パネリストのポジショントークの主な内容は以下の通りである。

米Intel社のR.Mariani氏は機能安全への対応を語った。

  • ・高性能ICの機能安全の確保には、高い安全性のコンピューティングが鍵を握る。すなわち、ソフト、OSも含めて全方位で対応が必要。
  • ・SOTIF(意図した機能(ハードの故障無、ソフトのバグなし)の安全性も重要。
 

独Bosch社のC. Eychenne氏は組み込み自己テスト(BIST)による現場での機能安全を語った。

  • ・ハードウエアの安全性対策により経年劣化による欠陥の検出が必要。
  • ・アプローチはいくつかある。例えば、冗長化(面積大)や、誤り訂正符号(限定的)、センサー(限定的)。BISTはコスト効率のよい対策だ。
  • ・BISTの課題はロジックに関しては検出率の向上である。メモリに関しては、実行時間及び消費電力の制御。アナログに関しては、最低限パワーオン時の対応ハードウエアの安全性対策により経年劣化による欠陥の検出が必要。
 

米Synopsyss社のY. Zorian氏はIPからシステムまでの信頼性を語った。

  • ・IPの観点からは、車載グレードIPが重要である。AEC-Q100対応テストにより低DPPB(DPPMでない)の実現が必要。
  • ・組み込み型のテスト&リペアーをパワーオン時から実動作時までの実行する。また、ECCの多ビット化も重要である。
 

伊仏合弁STMicroelectronics社のD. Appello氏は、量産テストの品質要求や次世代製品への期待を語った。

  • ・車載ICの差異化には、不良率のバスタブカーブの各フェーズでの対応が必要。
  • ・そのための重要課題はトレーサビリティーと、初期故障に対する保護、わずかな兆候の検出である。
 

 会場を交えた討論では、品質のためのコストをはじめ様々な観点からの課題が議論された。主な討論内容は以下の通り。

  • 車載品質のためのコストはどの程度か?
     →オンラインテストのためには冗長性が必要。ほぼオンライン(一部のみテスト)も可能。
     →FITを考える上ではASILのC/Dレベルが非常に重要。
     →製造時とオンラインで同じエンジンを使用することでハードウエアコストはほぼゼロにできる。
  • アダプティブテストの利用は可能か?
     →おそらく可能。
  • ミッション中のテストではリペアの時間も問題では?
     →ICとしては故障の通報が重要。機能安全管理ユニットが適切な手段を講じるはず。
  • アダプティブテストの利用は可能か?
     →おそらく可能。
  • 車載IC特有の課題は?
     →広い温度範囲の保証が必要。

 特別セッションとしての扱いだったためか、狭い部屋が割り当てられていた。満員に近い参加者で、議論はかなりヒートアップした。テスト技術のドライバーとしての車載ICへの期待が良く表れたセッションだった。