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薬機法が大きな課題

 落合氏は医療者・患者の場所についての解釈も解説した。医療法では、医療者の場所は医療機関や介護老人保健施設または患者の居宅等と明示されている。同氏が厚生労働省に明確な解釈を問い合わせたところ、あくまで患者側の場所を規定したものだとの回答を得たとし、「育児や介護などで時短勤務をしている医師が自宅で遠隔診療を行うことも許されると考えられる」(同氏)とする。ただし、一切の対面診療を行わずに自宅で実施したり、患者のプライバシーが担保されないような場所で実施したりすることは認められないとした。

 見解が不明確な場所としては、患者自身のオフィスや公民館などが挙げられるという。「患者が1日の大半をオフィスで過ごす場合は、生活の実態として居宅等に含まれると考えられる。一方、公民館にときどき遠隔診療を受けに来るような場合は居宅等と認められない」(落合氏)。この場合の対策としては、巡回診察の手続きが必要であり、「運用として可能かは地域事情によって異なるのではないか」(同氏)と述べた。

 法的問題の中で最もハードルが高いと落合氏が指摘したのは、医薬品医療機器等法(薬機法)だ。現時点で遠隔診療における処方は、院内処方の形態をとっている。つまり、医師がオンラインで処方し説明することを前提に処方薬(または処方箋)を確実に患者本人に届く形で送付する格好である。

 しかし、院外処方については、薬機法で処方薬は対面販売が義務付けられている。薬剤師は対面で書面を用いて情報提供・指導を行わなければならない。「院内処方と院外処方で、対面要件に大きな不均衡がある。遠隔服薬指導は現状、国家戦略特区以外は認められておらず、特区でも離島・へき地に限定されている。2017年11月10日に特区における薬剤遠隔指導の通知(薬生発1110第2号)が発出され今後の動向を見守る必要があるが、いずれにせよ特区に限定されている」と落合氏は指摘。「今後の大きな課題だ」(同氏)とした。