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 岐阜県岐阜市にある小笠原内科では、在宅療養支援診療所として24時間対応の在宅医療を行なっている。地域包括ケアに向けた地方の訪問看護や遠隔診療の現実は果たしてどのようなものなのか――。セミナー「どうなる? 遠隔診療」(2015年12月9日、主催:日経デジタルヘルス)では、同内科・訪問看護ステーションの責任者で、看護部長を務める木村久美子氏が「看護師から見た遠隔診療 ~地域包括ケアに向けて」と題して講演した。

講演する木村氏
講演する木村氏
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 講演ではまず、スライドを用いて訪問看護の日常が次々に映し出された。入浴介助や内服薬管理といった介護分野のケアは想定の範囲内だが、木村氏らによる訪問看護では、口腔ケア、点滴、輸血、持続皮下注射、人工肛門(ストーマ)交換、胃ろうチューブ交換介助など、高度な医療ケアもきちんと対処する。

 そこには、在宅医療患者と家族に対するQOL(Quality Of Life:生活の質)向上による「緩和ケア」を支援したいという同院の思いがある。木村氏によれば「日本における緩和ケアは決して進んでいないのが実情」とのことで、在宅療養患者への包括的な緩和ケアシステムが整備されていないとした。

 同院では積極的にがん患者の終末期ケアを支援し、2014年5月~2015年4月までの1年間で41名ものがん患者を自宅で看取ってきた。その在宅看取り率の割合は98%にも上る。この高い看取り率を支えたのが、Total Health Planner(THP)として機能するキーパーソンの存在だったという。